「モリー! 私も君にまず質問しなければならん!」
「アーサーったら、まったく。こんなこと、ばかげてるわ……」
「二人きりのとき、君は私に何て呼んでほしいかね?」
ランタンの仄暗ほのぐらい明かりの中でさえ、ハリーはウィーズリーおばさんがまっ赤になるのがわかった。ハリーも耳元から首が急に熱くなるのを感じて、できるだけ大きな音を立ててスプーンと皿をガチャつかせ、慌あわててスープをがぶ飲みした。
おばさんは恥ずかしさに消え入りたそうな様子で、ドアの端はしの隙間すきまに向かって囁ささやいた。
「かわいいモリウォブル」
「正解」ウィーズリーおじさんが言った。「さあ中に入れてもいいよ」
おばさんが戸を開けると、夫が姿を現した。赤毛が禿はげ上がった細身の魔法使いで、角縁つのぶちメガネをかけ、長い埃ほこりっぽい旅行用マントを着ている。
「あなたがお帰りになるたびにこんなことを繰くり返すなんて、私、いまだに納得なっとくできないわ」
夫のマントを脱がせながら、おばさんはまだ頬ほおを染そめていた。
「だって、あなたに化ける前に、死し喰くい人びとはあなたから無理やり答えを聞き出したかもしれないでしょ!」
「わかってるよ、モリー。しかしこれが魔法省の手続きだし、私が模範もはんを示さないと。何かいい匂においがするね――オニオンスープかな?」
ウィーズリー氏は、期き待たい顔がおで匂いのするテーブルのほうを振り向いた。
「ハリー! 朝まで来ないと思ったのに!」
二人は握手あくしゅし、ウィーズリーおじさんはハリーの隣となりの椅い子すにドサッと座り込んだ。おばさんがおじさんの前にもスープを置いた。
“莫丽!我先要问问你那个问题!”
“亚瑟,说真的,这太荒唐了……”
“我们独自在一起时,你喜欢我叫你什么?”
即使就着昏暗的桌灯,哈利也能看出韦斯莱夫人的脸一下子涨得通红。他自己也觉得耳朵和脖子都在发烧,赶紧大口地喝汤,尽量把勺子在碗里碰得丁当作响。
“莫丽小颤颤。”韦斯莱夫人不好意思地对着门边的那道裂缝小声说。
“正确,”韦斯莱先生说,“现在你可以让我进来了。”
韦斯莱夫人打开门,她丈夫出现了,一位秃顶、红发的瘦巫师,戴着一副角质架眼镜,身穿一件灰扑扑的旅行斗篷。
“我还是不明白,为什么你每次回家都要来这么一套。”韦斯莱夫人说着帮丈夫脱下斗篷,她的脸仍然微微泛红,“我的意思是,食死徒会先逼你说出答案,然后再冒充你的!”
“我知道,亲爱的,但这是魔法部规定的,我必须做出表率。什么东西这么好闻——洋葱汤?”
韦斯莱先生眼巴巴地朝桌子上望了过去。
“哈利!我们还以为你明天早晨才能来呢!”
他们握了握手,韦斯莱先生坐到哈利旁边的椅子上,韦斯莱夫人在他面前也放了一碗热汤。