ハリーは部屋のみんなに質問したのだが、答えはいつものようにハーマイオニーから返ってきた。
「寮りょう監かんに、どういう選せん択たく肢しがあるかを相談するの。先学期の終わりに、マクゴナガル先生にお聞きしたわ」
ハリーの内臓がのたうった。あんなに朝食を食べなければよかったと思った。
「ボーバトンでは」フラーが満足げに言った。「やり方がちがいまーすね。わたし、そのおほおうがいいと思いまーす。試験しけんは六年間勉強してからで、五年ではないでーす。それから――」
フラーの言葉は悲鳴ひめいに呑のみ込まれた。ハーマイオニーが台所の窓を指差していた。空に、はっきりと黒い点が三つ見え、だんだん近づいてきた。
「間違いなく、あれはふくろうだ」
勢いよく立ち上がって、窓際まどぎわのハーマイオニーのそばに行ったロンが、かすれ声で言った。
「それに三羽だ」
ハリーも急いでハーマイオニーのそばに行き、ロンの反対側に立った。
「私たちそれぞれに一羽」
ハーマイオニーは恐ろしげに小さな声で言った。
「ああ、だめ……ああ、だめ……ああ、だめ……」
ハーマイオニーは、ハリーとロンの片肘かたひじをがっちり握った。
ふくろうはまっすぐ「隠かくれ穴あな」に飛んできた。きりりとしたモリフクロウが三羽、家への小道の上をだんだん低く飛んでくる。近づくとますますはっきりしてきたが、それぞれが大きな四角い封筒ふうとうを運んでいる。
「ああ、だめー!」
ハーマイオニーが悲鳴ひめいを上げた。
ウィーズリーおばさんが三人を押し分けて、台所の窓を開けた。一羽、二羽、三羽と、ふくろうが窓から飛び込み、テーブルの上にきちんと列を作って降り立った。三羽そろって右脚みぎあしを上げた。