「落ちたらどうなるのかな?」
ハリーが進み出た。ハリー宛あての手紙はまん中のふくろうの脚に結ゆわえつけてあった。震える指でハリーはそれを解ほどいた。その左で、ロンが自分の成績をはずそうとしていた。ハリーの右側で、ハーマイオニーはあまりに手が震えて、ふくろうを丸ごと震えさせていた。
台所では誰だれも口をきかなかった。ハリーはやっと封筒をはずし、急いで封ふうを切り、中の羊皮ようひ紙しを広げた。
普通魔法レベルO・W・L成績
合格ごうかく
優ゆう・O (大いによろしい)
良りょう・E (期き待たい以い上じょう)
可か・A (まあまあ)
不ふ合ごう格かく
不ふ可か・P (よくない)
落第らくだい・D (どん底ぞこ)
トロール並なみ・T
ハリー・ジェームズ・ポッターは次の成績せいせきを修おさめた。
天てん文もん学がく 可 A
薬草やくそう学がく 良 E
魔ま法ほう生せい物ぶつ飼し育いく学がく 良 E
魔ま法ほう史し 落第 D
呪じゅ文もん学がく 良 E
魔ま法ほう薬やく学がく 良 E
闇やみの魔ま術じゅつに対する防ぼう衛えい術じゅつ 優 O
変へん身しん術じゅつ 良 E
占うらない学がく 不可 P
ハリーは羊よう皮ひ紙しを数回読み、読むたびに息が楽になった。大丈夫だ。占うらない学がくは失敗すると、はじめからわかっていたし、試験しけんの途中で倒れたのだから、魔ま法ほう史しに合格するはずはなかった。しかしほかは全部合格だ! ハリーは評ひょう価か点てんを指でたどった……変へん身しん術じゅつと薬やく草そう学がくはいい成績で通ったし、魔ま法ほう薬やく学がくでさえ「期待以上」の良だ! それに、「闇やみの魔ま術じゅつに対する防ぼう衛えい術じゅつ」で「優ゆう・O」を修おさめた。最高だ!
ハリーは周まわりを見た。ハーマイオニーはハリーに背を向けてうなだれているが、ロンは喜んでいた。
「占い学と魔法史だけ落ちたけど、あんなもの、誰だれが気にするか?」
ロンはハリーに向かって満足そうに言った。
「ほら――替かえっこだ――」
ハリーはざっとロンの成績を見た。「優・O」は一つもない……。
「君が『闇の魔術に対する防衛術』でトップなのは、わかってたさ」
ロンはハリーの肩にパンチを噛かました。
「俺たち、よくやったよな?」
「よくやったわ!」
ウィーズリーおばさんは誇ほこらしげにロンの髪かみをくしゃくしゃっと撫なでた。
「七ふ・く・ろ・うだなんて、フレッドとジョージを合わせたより多いわ!」