この、かなり暗い誕たん生じょう祝いわい夕食会の次の日、ホグワーツからの手紙と教科書のリストが届いた。ハリーへの手紙にはびっくりすることが含まれていた。クィディッチのキャプテンになったのだ。
「これであなたは、監かん督とく生せいと同じ待遇たいぐうよ!」ハーマイオニーがうれしそうに叫さけんだ。
「私たちと同じ特別なバスルームが使えるとか」
「ワーォ、チャーリーがこんなのを着けてたこと、憶おぼえてるよ」
ロンが大喜びでバッジを眺ながめ回した。
「ハリー、かっこいいぜ。君は僕のキャプテンだ――また僕をチームに入れてくれればの話だけど、ハハハ……」
「さあ、これが届いたからには、ダイアゴン横よこ丁ちょう行きをあんまり先延さきのばしにはできないでしょうね」
ロンの教科書リストに目を通しながら、ウィーズリーおばさんがため息をついた。
「土曜に出かけましょう。お父さまがまた仕事にお出かけになる必要がなければだけど。お父さまなしでは、私はあそこへは行きませんよ」
「ママ、『例れいのあの人』がフローリシュ・アンド・ブロッツ書店の本棚ほんだなの陰かげに隠かくれてるなんて、まじ、そう思ってるの?」ロンが鼻先はなさきで笑った。
「フォーテスキューもオリバンダーも、休きゅう暇かで出かけたわけじゃないでしょ?」
おばさんがたちまち燃え上がった。
「安全措そ置ちなんて笑しょう止し千せん万ばんだと思うんでしたら、ここに残りなさい。私があなたの買い物を――」
「だめだよ。僕、行きたい。フレッドとジョージの店が見たいよ!」ロンが慌あわてて言った。
「それなら、坊ぼっちゃん、態度に気をつけることね。一いっ緒しょに連れていくには幼おさなすぎるって、私に思われないように!」
おばさんはぷりぷりしながら柱時計を引っつかみ、洗濯せんたくしたばかりのタオルの山の上に、バランスを取って載のっけた。九本の針が全部、「命が危ない」を指し続けていた。
「それに、ホグワーツに戻もどるときも、同じことですからね!」
危なっかしげに揺ゆれる時計を載のせた洗せん濯たく物もの籠かごを両腕に抱え、母親が荒々しく部屋を出ていくのを見届け、ロンは信じられないという顔でハリーを見た。
「おっどろきー……もうここじゃ冗じょう談だんも言えないのかよ……」