短いブロンドの若い魔女がカーテンの向こうから首を出した。同じ赤あか紫むらさきのユニフォームを着ているのに、ハリーは気づいた。
「ミスター・ウィーズリーとミスター・ウィーズリー、お客さまがジョーク鍋なべを探しています」
ハリーは、フレッドとジョージがミスター・ウィーズリーと呼ばれるのを聞いて、とても変な気がしたが、二人はごく自然に呼びかけに応おうじた。
「わかった、ベリティ。いま行く」ジョージが即座そくざに答えた。
「ハリー、好きな物を何でも持ってけ。いいか? 代だい金きん無む用よう」
「そんなことできないよ!」
ハリーはすでに「おとり爆弾」の支払しはらいをしようと巾きん着ちゃくを取り出していた。
「ここでは君は金かねを払わない」
ハリーが差し出した金を手を振って断ことわりながら、フレッドがきっぱりと言った。
「でも――」
「君が、俺たちに起き業ぎょう資し金きんを出してくれた。忘れちゃいない」ジョージが断固だんことして言った。
「好きな物を何でも持っていってくれ。ただし、聞かれたら、どこで手に入れたかを忘れずに言ってくれ」
ジョージは客の応対おうたいのため、カーテンの向こうにするりと消え、フレッドは店頭の売り場までハリーを案内して戻もどった。そこには、「特許とっきょ・白はく昼ちゅう夢む呪じゅ文もん」にまだ夢中になっているハーマイオニーとジニーがいた。
「お嬢じょうさん方、我らが特製『ワンダーウィッチ』製品をご覧になったかな?」フレッドが聞いた。「レディーズ、こちらへどうぞ……」
窓のそばに、思いっきりピンク色の商品が並べてあり、興こう奮ふんした女の子の群れが興きょう味み津しん々しんでクスクス笑っていた。ハーマイオニーもジニーも用心深く、尻込しりごみした。