ハリーたちがその場を離れるとき、ウィーズリーおばさんとあの強面の闇祓いが、疑わしげに二人を見ているのに、ハリーは気づいていた。
「僕たちが『ダイアゴン横よこ丁ちょう』に行ったとき――」
ハリーは話しはじめたが、おじさんは顔をしかめて機先きせんを制せいした。
「フレッドとジョージの店の奥にいたはずの君とロン、ハーマイオニーが、実はその間どこに消えていたのか、それを聞かされるということかね?」
「どうしてそれを――?」
「ハリー、何を言ってるんだね。この私は、フレッドとジョージを育てたんだよ」
「あー……うん、そうですね。僕たち奥の部屋にはいませんでした」
「結構けっこうだ。それじゃ、最悪の部分を聞こうか」
「あの、僕たち、ドラコ・マルフォイを追っていました。僕の『透とう明めいマント』を使って」
「何か特別な理由があったのかね? それとも単なる気まぐれだったのかい?」
「マルフォイが何か企んでいると思ったからです」
おじさんの、呆あきれながらもおもしろがっている顔を無視して、ハリーは話し続けた。
「あいつは母親をうまく撒まいたんです。僕、そのわけが知りたかった」
「そりゃ、そうだ」
おじさんは、しかたがないだろうという言い方をした。
「それで? なぜだかわかったのかね?」
「あいつはボージン・アンド・バークスの店に入りました」ハリーが言った。「そしてあそこのボージンっていう店主を脅おどしはじめ、何かを修理する手助けをさせようとしてました。それから、もう一つ別な物をマルフォイのために保管しておくようにと、ボージンに言いました。修理が必要な物と同じ種類の物のような言い方でした。二つ一組のような。それから……」
ハリーは深く息を吸すい込んだ。