大おお広ひろ間まの天井は、高い格こう子し窓まどで四角に切り取られて見える外の空と同じく、静かに青く澄すみ、淡い雲が霞かすみのように流れていた。オートミールや卵、ベーコンを掻かっ込みながら、ハリーとロンは、昨夜のハグリッドとのばつの悪い会話をハーマイオニーに話して聞かせた。
「だけど、私たちが『魔ま法ほう生せい物ぶつ飼し育いく学がく』を続けるなんて、ハグリッドったら、そんなこと、考えられるはずがないじゃない!」
ハーマイオニーも気落ちした顔になった。
「だって、私たち、いつそんな素そ振ぶりを……あの……熱中ぶりを見せたかしら?」
「まさに、そこだよ。だろ?」
ロンは目玉焼きを丸ごと飲み込んだ。
「授じゅ業ぎょうでいちばん努力したのは僕たちだけど、ハグリッドが好きだからだよ。だけどハグリッドは、僕たちがあんなばかばかしい学科を好きだと思い込んでる。N・E・W・Tレベルで、あれを続けるやつがいると思うか?」
ハリーもハーマイオニーも答えなかったし、答える必要はなかった。同学年で「魔法生物飼育学」を続ける生徒が一人もいないことは、はっきりしていた。十分後に、ハグリッドが教きょう職しょく員いんテーブルを離れ際に陽気に手を振ったときも、三人はハグリッドと目を合わせず、中ちゅう途と半はん端ぱに手を振り返した。
食事のあと、みんなその場にとどまり、マクゴナガル先生が、教職員テーブルから降り立つのを待った。時間割を配る作業は、今年はこれまでより複雑ふくざつだった。マクゴナガル先生はまず最初に、それぞれが希望するN・E・W・Tの授じゅ業ぎょうに必要とされる、O・W・Lの合格点が取れているかどうかを、確認する必要があった。
ハーマイオニーは、すぐにすべての授業の継続けいぞくを許された。呪じゅ文もん学がく、闇やみの魔ま術じゅつに対する防ぼう衛えい術じゅつ、変へん身しん術じゅつ、薬やく草そう学がく、数かず占うらない、古代こだいルーン文も字じ、魔ま法ほう薬やく学がく。そして、一時間目の古代ルーン文字のクラスにさっさと飛んでいった。ネビルは処しょ理りに少し時間がかかった。マクゴナガル先生がネビルの申込書を読み、O・W・Lの成績を照らし合わせている間、ネビルの丸顔は心配そうだった。
「薬草学。結構けっこう」先生が言った。「スプラウト先生は、あなたがO・W・Lで『優・O』を取って授業に戻もどることをお喜びになるでしょう。それから『闇の魔術に対する防衛術』は、期待以上の『良・E』で資格があります。ただ、問題は『変身術』です。気の毒ですがロングボトム、『可・A』ではN・E・W・Tレベルを続けるには十分ではありません。授業についていけないだろうと思います」
ネビルはうなだれた。マクゴナガル先生は四角いメガネの奥からネビルをじっと見た。