「そもそもどうして『変身術』を続けたいのですか? 私わたくしは、あなたが特に授業を楽しんでいるという印象を受けたことはありませんが」
ネビルは惨みじめな様子で、「ばあちゃんが望んでいます」のようなことを呟つぶやいた。
「ふんっ」マクゴナガル先生が鼻はなを鳴らした。
「あなたのおばあさまは、どういう孫まごを持つべきかという考えでなく、あるがままの孫を誇ほこるべきだと気づいてもいいころです――特に魔法省での一件のあとは」
ネビルは顔中をピンクに染そめ、まごついて目をパチクリさせた。マクゴナガル先生は、これまで一度もネビルを褒ほめたことがなかった。
「残念ですが、ロングボトム、私わたくしはあなたをN・E・W・Tのクラスに入れることはできません。ただ、『呪じゅ文もん学がく』では『良・E』を取っていますね――『呪文学』のN・E・W・Tを取ったらどうですか?」
「ばあちゃんが、『呪文学』は軟なん弱じゃくな選択だと思っています」ネビルが呟つぶやいた。
「『呪文学』をお取りなさい」マクゴナガル先生が言った。
「私からオーガスタに一筆いっぴつ入れて、思い出してもらいましょう。自分が『呪文学』のO・W・Lに落ちたからといって、学科そのものが必ずしも価値がないとは言えません」
信じられない、といううれしそうな表情を浮かべたネビルに、マクゴナガル先生はちょっと微笑ほほえみかけ、まっ白な時間割を杖つえ先さきで叩たたいて、新しい授じゅ業ぎょうの詳しょう細さいが書き込まれた時間割を渡した。
マクゴナガル先生は、次にパーバティ・パチルに取りかかった。パーバティの最初の質問は、ハンサムなケンタウルスのフィレンツェがまだ「占うらない学がく」を教えるかどうかだった。
「今年は、トレローニー先生と二人でクラスを分担ぶんたんします」
マクゴナガル先生は不満そうな声で言った。先生が、「占い学」という学科を蔑視べっししているのは周しゅう知ちのことだ。
「六年生はトレローニー先生が担当なさいます」
パーバティは五分後に、ちょっと打うち萎しおれて「占い学」の授業に出かけた。