ハーマイオニーがどぎまぎしているのは無視して、スラグホーンが尋たずねた。
「ハーマイオニー・グレンジャーです。先生」
「グレンジャー? グレンジャー? ひょっとして、ヘクター・ダグワース‐グレンジャーと関係はないかな? 超ちょう一いち流りゅう魔ま法ほう薬師やくし協きょう会かいの設立者だが?」
「いいえ、ないと思います。私はマグル生まれですから」
マルフォイがノットのほうに体を傾けて、何か小声で言うのをハリーは見た。二人ともせせら笑っている。しかしスラグホーンはまったくうろたえる様子もなく、逆ににっこり笑って、ハーマイオニーと隣となりにいるハリーとを交互こうごに見た。
「ほっほう!『僕の友達の一人もマグル生まれです。しかもその人は学年で一番です!』。察するところ、この人が、ハリー、まさに君の言っていた友達だね?」
「そうです、先生」ハリーが言った。
「さあ、さあ、ミス・グレンジャー、あなたがしっかり獲得かくとくした二十点を、グリフィンドールに差し上げよう」スラグホーンが愛想あいそよく言った。
マルフォイは、かつてハーマイオニーに顔面パンチを食らったときのような表情をした。ハーマイオニーは顔を輝かがやかせてハリーを振り向き、小声で言った。
「本当にそう言ったの? 私が学年で一番だって? まあ、ハリー!」
「でもさ、そんなに感激かんげきすることか?」
ロンはなぜか気分を害した様子で、小声で言った。
「君はほんとに学年で一番だし――先生が僕に聞いてたら、僕だってそう言ったぜ!」
ハーマイオニーは微笑ほほえんだが、「シーッ」という動作をした。スラグホーンが何か言おうとしていたからだ。ロンはちょっとふて腐くされた。