年老いた男が小屋から飛び出してきた。勢いよく戸を閉めたので、蛇の死骸が情けない姿で揺ゆれた。この男は最初の男より小さく、体の釣つり合いが奇き妙みょうだった。広い肩幅かたはば、長すぎる腕、さらに褐かっ色しょくに光る目やチリチリ短い髪かみと皺しわくちゃの顔が、年老いた強きょう健けんな猿のような風貌ふうぼうに見せていた。その男は、地べたのオグデンの姿を小刀を手にしてクワックワッと高笑いしながら眺ながめている男の傍かたわらで、立ち止まった。
「魔法省だと?」オグデンを見下ろして、年老いた男が言った。
「そのとおり!」
オグデンは顔を拭ぬぐいながら怒ったように言った。
「それで、あなたは、察するにゴーントさんですね?」
「そうだ」ゴーントが答えた。「こいつに顔をやられたか?」
「ええ、そうです!」オグデンが噛かみつくように言った。
「前触まえぶれなしに来るからだ。そうだろうが?」
ゴーントがけんかを吹っかけるように言った。
「ここは個人の家だ。ずかずか入ってくれば、息子が自じ己こ防ぼう衛えいするのは当然だ」
「何に対する防衛だと言うんです? え?」
無様な格好かっこうで立ち上がりながら、オグデンが言った。
「お節介せっかい、侵しん入にゅう者しゃ、マグル、穢けがれたやつら」
オグデンは杖つえを自分の鼻に向けた。大量に流れ出ていた黄色い膿うみのようなものが、即座そくざに止まった。ゴーントはほとんど唇くちびるを動かさずに、口の端はでモーフィンに話しかけた。
「家の中に入れ。口答えするな」
こんどは注意して聞いていたので、ハリーは蛇語を聞き取った。言葉の意味が理解できただけでなく、オグデンの耳に聞こえたであろうシューシューという気味の悪い音も聞き分けた。モーフィンは口答えしかかったが、父親の脅おどすような目つきに会うと、思い直したように、奇妙に横揺よこゆれする歩き方でドシンドシンと小屋の中に入っていった。玄げん関かんの戸をバタンと閉めたので、蛇がまたしても哀あわれに揺れた。
这次哈利有了思想准备,听出了他的蛇佬腔。他听懂了话的意思,同时也分辨出奥格登所能听见的那种奇怪的嘶嘶声。莫芬似乎还想辩解几句,但他父亲朝他狠狠地瞪了一眼,他便改变了主意,迈着古怪的、摇摇晃晃的脚步,慢吞吞地朝木房子走去,进去后又重重地关上门,那条蛇又可怜巴巴地摇摆起来。