「あの小屋の娘はどうなったんですか?」
ダンブルドアが杖つえを一振りして、さらにいくつかのランプに灯ひを点ともしたとき、ハリーはまっ先に聞いた。
「メローピーとか、そんな名前でしたけど?」
「おう、あの娘は生き延のびた」
ダンブルドアは机に戻もどり、ハリーにも座るように促うながした。
「オグデンは『姿すがた現あらわし』で魔法省に戻り、十五分後には援軍えんぐんを連れて再びやって来た。モーフィンと父親は抵抗ていこうしたが、二人とも取り押さえられてあの小屋から連れ出され、その後ウィゼンガモット法廷ほうていで有罪の判決を受けた。モーフィンはすでにマグル襲しゅう撃げきの前科ぜんかを持っていたため、三年間のアズカバン送りとなった。マールヴォロはオグデンのほか数人の魔法省の役人を傷つけたため、六ヵ月の収しゅう監かんになったのじゃ」
「マールヴォロ?」ハリーは怪訝けげんそうに聞き返した。
「そうじゃ」ダンブルドアは満足げに微笑ほほえんだ。
「きみが、ちゃんと話について来てくれるのはうれしい」
「あの年寄りが――?」
「ヴォルデモートの祖父。そうじゃ」ダンブルドアが言った。
「マールヴォロ、息子のモーフィンそして娘のメローピーは、ゴーント家の最後の三人じゃ。非常に古くから続く魔法界の家柄いえがらじゃが、いとこ同士が結婚をする習慣から、何世紀にもわたって情じょう緒ちょ不ふ安あん定ていと暴力の血筋ちすじで知られていた。常識の欠如けつじょに壮大そうだいなことを好む傾向が加わり、マールヴォロが生まれる数世代前には、先祖の財産をすでに浪費ろうひし尽くしていた。きみも見たように、マールヴォロは惨みじめさと貧困の中に暮らし、非常に怒りっぽい上、異常な傲慢ごうまんさと誇ほこりを持ち、また先祖代々の家宝を二つ、息子と同じぐらい、そして娘よりはずっと大切にして持っていた�class="title">