「あいつ、知らないことまで知ってるように見せかけようとしたんだろうな」ロンが言った。
「ヴィーラをナンパしようとして、自分は魔法大臣になるって息巻いきまいてたやつじゃなかったか?」
「うん、そうだよ」ハリーが言った。
「あいつら、いったい何を考えてるんだか。スタンの言うことを真まに受けるなんて」
「たぶん、何かしら手を打っているように見せたいんじゃないかしら」
ハーマイオニーが顔をしかめた。
「みんなが戦せん々せん恐きょう々きょうだし――パチル姉妹のご両親が、二人を家に戻もどしたがっているのを知ってる? それに、エロイーズ・ミジョンはもう引き取られたわ。お父さんが、昨晩さくばん連れて帰ったの」
「ええっ?」
ロンが目をぐりぐりさせてハーマイオニーを見た。
「だけど、ホグワーツはあいつらの家うちより安全だぜ。そうじゃないか。闇やみ祓ばらいはいるし、安全対たい策さくの呪じゅ文もんがいろいろ追加されたし、なにしろ、ダンブルドアがいる!」
「ダンブルドアがいつもいらっしゃるとは思えないわ」
「日刊にっかん予よ言げん者しゃ新しん聞ぶん」の上から教きょう職しょく員いんテーブルをちらと覗のぞいて、ハーマイオニーが小声で言った。
「気がつかない? ここ一週間、校長席はハグリッドのと同じぐらい、ずっと空だったわ」
ハリーとロンは教職員テーブルを見た。校長席は、なるほど空だった。考えてみれば、ハリーは一週間前の個こ人じん教きょう授じゅ以来、ダンブルドアを見ていなかった。
「騎き士し団だんに関する何かで、学校を離れていらっしゃるのだと思うわ」
ハーマイオニーが低い声で言った。
「つまり……かなり深刻しんこくだってことじゃない?」
ハリーもロンも答えなかった。しかしハリーには、三人とも同じことを考えているのがわかっていた。昨日の恐ろしい事件のことだ。ハンナ・アボットが「薬やく草そう学がく」の時間に呼び出され、母親が死んでいるのが見つかったと知らされたのだ。ハンナの姿はそれ以来見ていない。
五分後、グリフィンドールのテーブルを離れてクィディッチ競きょう技ぎ場じょうに向かうときに、ラベンダー・ブラウンとパーバティ・パチルのそばを通った。二人の仲良しは気落ちした様子でヒソヒソ話していたが、パチルの親が、双子ふたご姉妹をホグワーツから連れ出したがっているというハーマイオニーの話を思い出したので、ハリーは驚きはしなかった。しかし、ロンが二人のそばを通ったとき、突然パーバティに小こ突づかれたラベンダーが、振り向いてロンににっこり笑いかけたのには驚いた。ロンは目をパチクリさせ、曖昧あいまいに笑い返した。とたんにロンの歩き方が、肩をそびやかした感じになった。ハリーは笑い出したいのをこらえた。マルフォイに鼻はなをへし折られたとき、ロンが笑いをこらえてくれたことを思い出したのだ。しかしハーマイオニーは、肌寒はだざむい霧雨きりさめの中を歩いて競技場に歩いていく間ずっと冷たくてよそよそしかったし、二人と別れてスタンドに席を探しにいくときも、ロンに激励げきれいの言葉ひとつかけなかった。
五分钟后,当他们离开了格兰芬多餐桌,朝魁地奇球场走去时,迎面看见了拉文德·布朗和帕瓦蒂·佩蒂尔。哈利想起了赫敏说过佩蒂尔孪生姐妹的父母想要她们离开霍格沃茨的事,所以,他看到这两个好朋友在那里窃窃私语,神情忧伤,就不感到奇怪了。让他感到吃惊的是,当罗恩走过她们旁边时,帕瓦蒂突然用胳膊肘捅了捅拉文德,拉文德回过头来,送给罗恩一个灿烂的微笑。罗恩朝她眨巴眨巴眼睛,也迟疑不决地笑了笑。他走路的姿势立刻变得大摇大摆,架子十足起来。哈利看了想笑,但赶紧忍住了,他想起马尔福踩破自己鼻子时,罗恩也没有笑话自己。赫敏则显得傲慢、冷漠,她穿过冷飕飕、雾蒙蒙的毛毛细雨,走向下面的球场,然后,也没向罗恩道一声好运,就径自到看台上找座位去了。