ハリーが振り返ると、新しいチームがハリーに向かってにっこりしていた。
「よくやった」ハリーがかすれ声で言った。
「いい飛びっぷりだった――」
「ロン、すばらしかったわ!」
こんどは正しょう真しん正しょう銘めいハーマイオニーが、スタンドからこちらに向かって走ってきた。一方、ラベンダーはパーバティと腕を組み、かなりブスッとした顔で競きょう技ぎ場じょうから出ていくところだった。ロンはすっかり気をよくして、チーム全員とハーマイオニーに笑顔を向けながら、いつもよりさらに背が高くなったように見えた。
第一回の本ほん格かく的てきな練習日を次の木曜日と決めてから、ハリー、ロン、ハーマイオニーはチームに別れを告げ、ハグリッドの小屋に向かった。霧雨きりさめはようやく上がり、濡ぬれた太陽がいましも雲を割って顔を見せようとしていた。ハリーは極きょく端たんに空腹を感じ、ハグリッドのところに何か食べる物があればいいと思った。
「僕、四回目のペナルティ・スローはミスするかもしれないと思ったなあ」
ロンはうれしそうに言った。「デメルザのやっかいなシュートだけど、見たかな、ちょっとスピンがかかってた――」
「ええ、ええ、あなたすごかったわ」ハーマイオニーはおもしろがっているようだった。
「僕、とにかくあのマクラーゲンよりはよかったな」
ロンはいたく満足げな声で言った。
「あいつ、五回目で変な方向にドサッと動いたのを見たか? まるで『錯さく乱らん呪じゅ文もん』をかけられたみたいに……」
ハーマイオニーの顔が、この一言で深いピンク色に染そまった。ハリーは驚いたが、ロンは何も気づいていない。ほかのペナルティ・スローの一つひとつを味わうように、こと細かに説明するのに夢中だった。