ハーマイオニーは、泣きじゃくっているケイティの友達のところへ駆かけ寄り、肩を抱いた。
「リーアン、だったわね?」
友達が頷うなずいた。
「突然起こったことなの? それとも――?」
「包みが破れたときだったわ」
リーアンは、地面に落ちていまやぐしょ濡ぬれになっている茶色の紙包みを指差しながら、すすり上げた。破れた包みの中に、緑色がかった光る物が見える。ロンは手を伸のばして屈かがんだが、ハリーがその腕をつかんで引き戻もどした。
「触さわるな!」
ハリーがしゃがんだ。装そう飾しょく的てきなオパールのネックレスが、紙包みからはみ出して覗のぞいていた。
「見たことがある」ハリーはじっと見つめながら言った。
「ずいぶん前になるけど、ボージン・アンド・バークスに飾かざってあった。説明書きに、呪のろわれているって書いてあった。ケイティはこれに触ったに違いない」
ハリーは、激はげしく震ふるえ出したリーアンを見上げた。
「ケイティはどうやってこれを手に入れたの?」
「ええ、そのことで口論になったの。ケイティは『三本の箒ほうき』のトイレから出てきたとき、それを持っていて、ホグワーツの誰だれかを驚かす物だって、それを自分が届けなきゃならないって言ったわ。そのときの顔がとても変だった……あっ、あっ、きっと『服ふく従じゅうの呪じゅ文もん』にかかっていたんだわ。わたし、それに気がつかなかった!」
リーアンは体を震わせて、またすすり泣きはじめた。ハーマイオニーは優やさしくその肩を叩たたいた。
「リーアン、ケイティは誰からもらったかを言ってなかった?」
「ううん……教えてくれなかったわ……それでわたし、あなたはばかなことをやっている、学校には持っていくなって言ったの。でも全然聞き入れなくて、そして……それでわたしが引ったくろうとして……それで――それで――」リーアンが絶ぜつ望ぼう的てきな泣き声を上げた。
「みんな学校に戻ったほうがいいわ」
ハーマイオニーが、リーアンの肩を抱いたまま言った。
「ケイティの様子がわかるでしょう。さあ……」