マクゴナガル先生は、部屋のドアを開けた。三人とも、それ以上何も言わずに並んで出ていくしかなかった。
ハリーは、二人がマクゴナガルの肩を持ったことに腹を立てていた。にもかかわらず、事件の話が始まると、どうしても話に加わりたくなった。
「それで、ケイティは誰だれにネックレスをやるはずだったと思う?」
階段を上って談だん話わ室しつに向かいながらロンが言った。
「いったい誰かしら」ハーマイオニーが言った。
「誰にせよ、九きゅう死しに一いっ生しょうだわ。誰だってあの包みを開けたら、必ずネックレスに触ふれてしまったでしょうから」
「対たい象しょうになる人は大勢いたはずだ」ハリーが言った。「ダンブルドア――死し喰くい人びとはきっと始し末まつしたいだろうな。狙ねらう相手としては順位の高い一人に違いない。それともスラグホーン――ダンブルドアは、ヴォルデモートが本気であの人を手に入れたがっていたと考えている。だから、あの人がダンブルドアに与くみしたとなれば、連中はうれしくないよ。それとも――」
「あなたかも」ハーマイオニーは心配そうだった。
「ありえない」ハリーが言った。
「それなら、ケイティは道でちょっと振り返って僕に渡せばよかったじゃないか。僕は、『三本の箒ほうき』からずっとケイティの後ろにいた。ホグワーツの外で渡すほうが合ごう理り的てきだろ? なにしろフィルチが、出入りする者全員を検査してる。城の中に持ち込めなんて、どうしてマルフォイはケイティにそう言いつけたんだろう?」
「ハリー、マルフォイはホグズミードにいなかったのよ!」
ハーマイオニーは苛立いらだちのあまり地じ団だん駄だを踏ふんでいた。
「なら、共きょう犯はん者しゃを使ったんだ」ハリーが言った。
「クラッブかゴイル――それとも、考えてみれば、死喰い人だったかもしれない。マルフォイにはクラッブやゴイルよりもっとましな仲間がたくさんいるはずだ。マルフォイはもうその一員なんだし――」
ロンとハーマイオニーは顔を見合わせた。明らかに「この人とは議論ぎろんしてもむだ」という目つきだった。