「ここにお伺うかがいしましたのは、お手紙にも書きましたように、トム・リドルについて、将しょう来らいのことをご相談するためです」ダンブルドアが言った。
「ご家族の方で?」ミセス・コールが聞いた。
「いいえ、私わたくしは教師です」ダンブルドアが言った。
「私の学校にトムを入学させるお話で参りました」
「では、どんな学校ですの?」
「ホグワーツという名です」ダンブルドアが言った。
「それで、なぜトムにご関心を?」
「トムは、我々が求める能力を備えていると思います」
「奨しょう学がく金きんを獲得かくとくした、ということですか? どうしてそんなことが? あの子は一度も試験を受けたことがありません」
「いや、トムの名前は、生まれたときから我々の学校に入るように記しるされていましてね――」
「誰が登録とうろくを? ご両親が?」
ミセス・コールは、都合つごうの悪いことに、間違いなく鋭い女性だった。ダンブルドアも明らかにそう思ったらしい。というのも、ダンブルドアがビロードの背広のポケットから杖つえをするりと取り出し、同時にミセス・コールの机つくえから、まっさらな紙を一枚取り上げたのが、ハリーに見えたからだ。
「どうぞ」
ダンブルドアはその紙をミセス・コールに渡しながら杖を一回振った。
「これですべてが明らかになると思いますよ」
ミセス・コールの目が一いっ瞬しゅんぼんやりして、それから元に戻もどり、白紙をしばらくじっと見つめた。
「すべて完璧かんぺきに整っているようです」
紙を返しながら、ミセス・コールが落ち着いて言った。そしてふと、ついさっきまではなかったはずのジンの瓶びんが一本と、グラスが二個置いてあるのに目を止めた。
「あー――ジンを一杯、いかがですか?」ことさらに上品な声だった。
「いただきます」ダンブルドアがにっこりした。
“我信上已经对您说了,我来这里,是想跟您商量商量汤姆·里德尔的事,给他安排一个前程。”邓布利多说。