ハリーのもらった物は、大きな金のスニッチが前に編あみ込んである、ウィーズリーおばさんの手編みセーター、双子ふたごからウィーズリー・ウィザード・ウィーズの商品が入った大きな箱、それに、ちょっと湿しめっぽくてかび臭い包みのラベルには、「ご主人様へ クリーチャーより」と書いてある。
ハリーは目を見張った。「これ、開けても大丈夫かな?」ハリーが聞いた。
「危険な物もんじゃないだろ。郵便はまだ全部、魔法省が調べてるから」
そう答えながら、ロンは怪しいぞという目で包みを見ていた。
「僕、クリーチャーに何かやるなんて、考えつかなかった! 普通、屋敷やしきしもべ妖よう精せいにクリスマス・プレゼントするものなのか?」ハリーは包みを慎しん重ちょうに突つきながら聞いた。
「ハーマイオニーならね」ロンが言った。「だけど、まず見てみろよ。反省はそれからだ」
次の瞬しゅん間かん、ハリーは叫さけび声を上げて簡易かんいベッドから飛び降りた。包みの中には、蛆虫うじむしがごっそり入っていた。
「いいねえ」ロンは大声で笑った。「思いやりがあるよ」
「ペンダントよりはましだろ」ハリーの一言で、ロンはたちまち興きょうざめした。
クリスマス・ランチの席に着いた全員が――フラーとおばさん以外は――新しいセーターを着ていた(ウィーズリーおばさんは、どうやら、フラーのために一いっ着ちゃくムダにする気はなかったらしい)。おばさんは、小さな星のように輝かがやくダイヤがちりばめられた、濃紺のうこんの真新しい三角帽子ぼうしをかぶり、見事な金のネックレスを着けていた。
「フレッドとジョージがくれたの! きれいでしょう?」
「ああ、ママ、俺おれたちますますママに感謝かんしゃしてるんだ。なんせ、自分たちでソックスを洗わなくちゃなんねえもんな」
ジョージが、気楽に手を振りながら言った。
「リーマス、パースニップはどうだい?」
「ハリー、髪かみの毛に蛆虫がついてるわよ」
ジニーが愉快ゆかいそうにそう言いながら、テーブルの向こうから身を乗り出して蛆虫を取った。ハリーは首に鳥肌とりはだが立つのを感じたが、それは蛆虫とは何の関係もなかった。
「ああ、いひどいわ」フラーは気取って小さく肩をすぼめながら言った。
「ほんとにひどいよね?」ロンが言った。「フラー、ソースはいかが?」
フラーの皿にソースをかけてやろうと意い気き込ごみすぎて、ロンはソース入れを叩たたき飛ばしてしまった。ビルが杖つえを振ると、ソースは宙ちゅうに浮き上がり、おとなしくソース入れに戻もどった。