「君は何をやらかしたんだ?」
ハーマイオニーのつんとした横顔を見ながら、ロンがボソボソとハリーに聞いた。
ハリーが答える前に、スラグホーンが教室の前方から静せい粛しゅくにと呼びかけた。
「静かに、みんな静かにして! さあ、急がないと、今日はやることがたくさんある!『ゴルパロットの第三の法則ほうそく』……誰だれか言える者は――? ああ、ミス・グレンジャーだね、勿もち論ろん!」
ハーマイオニーは猛烈もうれつなスピードで暗あん誦しょうした。
「『ゴルパロットの第三の法則』とは、混合こんごう毒どく薬やくの解げ毒どく剤ざいの成分は毒薬の各成分に対する解毒剤の成分の総和そうわより大きい」
「そのとおり!」スラグホーンがにっこりした。
「グリフィンドールに十点! さて、『ゴルパロットの第三の法則』が真しんであるなら……」
ハリーは、「ゴルパロットの第三の法則」が真であるというスラグホーンの言葉を鵜う呑のみにすることにした。なにしろチンプンカンプンだったからだ。スラグホーンの次の説明も、ハーマイオニー以外は誰もついていけないようだった。
「……ということは、勿論、『スカーピンの暴ばく露ろ呪じゅ文もん』により魔法毒薬の成分を正確に同定どうていできたと仮定かていすると、我々の主要な目的は、これらの全部の成分それ自体の解毒剤をそれぞれ選び出すという比ひ較かく的てき単たん純じゅんなものではなく、追加ついかの成分を見つけ出すことであり、その成分は、ほとんど錬れん金きん術じゅつとも言える工程こうていにより、これらのばらばらな成分を変容へんようせしめ――」
ハリーの横で、ロンは口を半分開け、真新しい自分の「上じょう級きゅう魔ま法ほう薬やく」の教科書にぼんやり落書きをしていた。授じゅ業ぎょうがさっぱりわからない場合に、ハーマイオニーの助けを求めるということ�div class="title">