ハグリッドは眠ったままでぴくりと動いたが、また鼾をかき続けた。スラグホーンとハリーは、蝋燭ろうそくのなびく炎を挟はさんで見つめ合った。長い、長い沈ちん黙もくが流れた。フェリックス・フェリシスが、ハリーに、そのまま黙だまって待てと教えていた。
やがてスラグホーンは、ゆっくりとポケットに手を入れ、杖つえを取り出した。もう一方の手をマントに突っ込み、小さな空あき瓶びんを取り出した。ハリーの目を見つめたまま、スラグホーンは杖つえの先でこめかみに触れ、杖を引いた。記憶の長い銀色の糸が、杖先について出てきた。記憶は、長々と伸び、最後に切れて、銀色に輝かがやきながら杖の先で揺ゆれた。スラグホーンがそれを瓶びんに入れると、糸は螺ら旋せん状じょうに巻き、やがて広がってガスのように渦巻うずまいた。震ふるえる手でコルク栓せんを閉め、スラグホーンはテーブル越しに瓶をハリーに渡した。
「ありがとう、先生」
「君はいい子だ」
スラグホーンの膨ふくれた頬ほおを涙が伝つたい、セイウチ髭ひげに落ちた。
「それに、君の目は母親の目だ……それを見ても、わたしのことをあまり悪く思わんでくれ……」
そして、両腕に頭をもたせて深いため息をつき、スラグホーンもまた眠り込んだ。
海格在梦中抽搐了一下,继续打着呼噜。斯拉格霍恩和哈利隔着流泪的蜡烛对视着,沉默持续了很久,福灵剂告诉哈利不要打破它,再等一等。
最后,斯拉格霍恩很慢很慢地把手伸进兜里,抽出了魔杖,另一只手从斗篷里摸出一个小小的空瓶子。他仍然盯着哈利的眼睛,将魔杖尖抵在太阳穴上,然后拿开了。杖尖带出一缕长长的银丝般的记忆。它越拉越长,终于断了,银光闪闪地在杖尖上飘荡。斯拉格霍恩把它放进瓶中,银丝卷了起来,继而展开了,像气体一样盘旋着。他用颤抖的手塞紧瓶盖,隔着桌子递给了哈利。
“非常感谢您,教授。”
“你是个好孩子,”斯拉格霍恩说,泪水顺着他肥胖的面颊流进了他的海象胡须中,“你有她那样的眼睛……看了这个之后别把我想得太坏……”
他也把脑袋搁到臂弯里,长叹一声,睡着了。