「お入り」ハリーのノックにダンブルドアが答えた。疲れきった声だった。
ハリーは扉とびらを押して入った。ダンブルドアの校長室はいつもどおりだったが、窓の外はまっ暗な空に星が散っていた。
「なんと、ハリー」ダンブルドアは驚いたように言った。
「こんな夜よ更ふけにわしを訪ねてきてくれるとは、いったいどんなわけがあるのじゃ?」
「先生――手に入れました。スラグホーンの記憶を、手に入れました」
ハリーはガラスの小瓶こびんを取り出して、ダンブルドアに見せた。ダンブルドアは一いっ瞬しゅん、不ふ意いを衝つかれた様子だったが、やがてにっこりと顔をほころばせた。
「ハリー、すばらしい知らせじゃ! ようやった! きみならできると思うておった」
時間が遅いことなど、すっかり忘れてしまったように、ダンブルドアは急いで机の向こうから出てきて、傷ついていないほうの手でスラグホーンの記憶の瓶を受け取り、「憂うれいの篩ふるい」がしまってある棚たなにつかつかと歩み寄った。
「いまこそ」
ダンブルドアは石の水すい盆ぼんを机に置き、瓶の中身をそこに注そそぎながら言った。
「ついにいまこそ、見ることができる。ハリー、急ぐのじゃ……」
ハリーは素直に「憂いの篩」を覗のぞき込み、床から足が離れるのを感じた……今回もまたハリーは、暗くら闇やみの中を落ちていき、何年も前のホラス・スラグホーンの部屋に降り立った。
“进来。”哈利敲门后听到邓布利多说,声音似乎疲惫不堪。
哈利推开门。邓布利多的办公室还是老样子,但窗外换成了缀满星斗的黑色夜空。
“啊呀,哈利,”邓布利多惊讶地说,“这么晚来有什么事吗?”
“先生——我搞到了,我搞到了斯拉格霍恩的记忆。”
哈利掏出小玻璃瓶给邓布利多看。校长似乎愣了片刻,然后脸上绽开了笑容。
“哈利,这是激动人心的消息!真是太棒了!我知道你能办到!”
他显然完全忘记了已是深夜,急忙从桌后出来,用那只好手接过斯拉格霍恩的记忆,大步走到摆着冥想盆的柜子前。
“现在,”邓布利多把石盆搁在桌上,把瓶里的东西倒了进去,“现在,我们终于要看到了。哈利,快……”
哈利顺从地俯身到冥想盆上,感到双脚离开地面……他再次在黑暗中坠落,掉到多年前斯拉格霍恩的办公室里。