「『命いのちの霊薬れいやく』はたしかに生命を延えん長ちょうするものではあるが、不滅の命を保つには、定期的に、永遠に飲み続けなければならない。さすれば、ヴォルデモートは、その霊薬に全面的に依存いぞんすることになり、霊薬が切れたり不ふ純じゅんなものになったりするか、または『石』が盗まれた場合は、ヴォルデモートはほかの者同様、死ぬことになるであろう。ヴォルデモートは、憶おぼえておろうが、自分ひとりで事を為なしたがる。依存するということは、たとえそれが霊薬への依存であろうとも、我慢がまんならなかったのであろうと思う。もちろん、きみを襲おそった後に、あのように恐ろしい半はん生せい命めいの状じょう態たいに貶おとしめられ、そこから抜け出すためであれば霊薬を飲もうと思ったのであろう。しかし、それは肉体を取り戻すためにのみじゃ。それ以後は、引き続き分霊箱を信頼しんらいしようとしていたと、わしは確信しておる。それ以外には何も必要ではなかった。ただ人間としての形を取り戻すことさえできれば。あの者はすでに不滅だったのじゃから……もしくは、ほかの誰も到達とうたつできないほどに、不滅に近かったのじゃから」
「しかし、ハリーよ、きみが首尾しゅびよく手に入れてくれた、この肝心かんじんな記憶という情報が武器になり、我々はいまこそ、ヴォルデモート卿を破滅はめつさせるための秘密に、これまでの誰よりも近づいておる。ハリー、あの者の言葉を聞いたじゃろう。『もっとたくさん分断ぶんだんするほうがより確かで、より強力になれるのではないでしょうか?……七という数は、いちばん強い魔法数字ではないですか……?』七という数は、いちばん強い魔法数字ではないですか。さよう。七分断された魂という考えが、ヴォルデモート卿を強く惹ひきつけたであろうと思うのじゃ」
「七個の分霊箱を作ったのですか?」
ハリーは恐ろしさに身震みぶるいし、何枚かの壁かべの肖しょう像ぞう画がも、同じように衝