「先生、ヴォルデモートは、本当はそれが目当てで、ホグワーツに戻もどってきたかったのでしょうか?」ハリーが言った。
「創始者の一人の品を何か見つけようとして?」
「わしもまさにそう思う」ダンブルドアが言った。
「しかし、残念ながら、そこから先はあまり説明できぬ。なぜなら、ヴォルデモートは学校の中を探索たんさくする機会もなく――とわしは信じておるのじゃが――門もん前ぜん払ばらいされてしもうたのじゃから。ヴォルデモートは、四人の創そう始し者しゃの品々を集めるという野望やぼうを満たすことができなかった、と結論せざるをえんじゃろう。間違いなく二つは手に入れた――三つ見つけたかも知れぬ――いまはせいぜいそこまでしか考えられぬ」
「レイブンクローかグリフィンドールの品のどちらかを手に入れたとしても、まだ六番目の分ぶん霊れい箱ばこが残っています」
ハリーは指を折って数えながら言った。
「それとも、二つの品を両方とも手に入れたのでしょうか?」
「そうは思わぬ」ダンブルドアが言った。
「六番目が何か、わしにはわかるような気がする。わしが、蛇へびのナギニの行動にしばらく興味を持っていたと打ち明けたら、きみはどう思うかね?」
「あの蛇ですか?」ハリーはギクッとした。「動物を分霊箱に使えるのですか?」
「いや、賢明けんめいとは言えぬ」ダンブルドアが言った。
「それ自身が考えたり動いたりできるものに、魂たましいの一部を預あずけるのは、当然危険を伴う。しかし、わしの計算が正しければ、ヴォルデモートがきみを殺そうとして、ご両親の家に侵しん入にゅうしたとき、六個の分霊箱という目もく標ひょうには、まだ少なくとも一個欠けておった」
「ヴォルデモートは、特に重大な者の死の時まで、分霊箱を作る過程かていを延期えんきしていたようじゃ。きみの場合は、紛まぎれもなくそうした死の一つ">