「すっかり元気よ!」ケイティがうれしそうに言った。
「月曜日に『聖せいマンゴ』から退院したんだけど、二、三日、パパやママと家で一いっ緒しょに過ごして、今け朝さ、戻ってきたの。ちょうどいま、リーアンが、マクラーゲンのことや、この間の試合のことを話してくれていたところよ。ハリー……」
「うん」ハリーが言った。
「まあ、君が戻ったし、ロンも好調だし、レイブンクローを打倒だとうするチャンスは十分だ。つまり、まだ優ゆう勝しょう杯はいを狙ねらえる。ところで、ケイティ……」
ハリーは、早さっ速そくケイティに聞かないではいられなかった。知りたさのあまり、ジニーのことさえ一時頭から吹き飛んでいた。ケイティの友達が、どうやら変へん身しん術じゅつの授じゅ業ぎょうに遅れそうになっているらしく、出かける準備をしていたが、ハリーは声を落として聞いた。
「……あのネックレス……誰だれが君に渡したのか、いま思い出せるかい?」
「ううん」ケイティは残念そうに首を振った。
「みんなに聞かれたんだけど、全然憶おぼえていないの。最後に『三本の箒ほうき』の女子トイレに入ったことまでしか」
「それじゃ、間違いなくトイレに入ったのね?」ハーマイオニーが聞いた。
「うーん、ドアを押し開けたところまでは覚えがあるわ」ケイティが言った。
「だから、私に『服ふく従じゅうの呪じゅ文もん』をかけた誰かは、ドアのすぐ後ろに立っていたんだと思う。そのあとは、二週間前に『聖マンゴ』で目を覚ますまで、記憶がまっ白。さあ、もう行かなくちゃ。帰ってきた最初の日だからって、『反復はんぷく書き取り』罰ばっを免除めんじょしてくれるようなマクゴナガルじゃないしね……」
ケイティはカバンと教科書類をつかみ、急いで友達のあとを追った。残されたハリー、ロン、ハーマイオニーは、窓際まどぎass="title">