「――出ておいき!」
マダム・ロスメルタが、むさくるしい魔法使いを押し出しながら叫さけんだ。
「あら、アルバス、こんばんは……遅いおでかけね……」
「こんばんは、ロスメルタ、ご機嫌きげんよう……すまぬが、ホッグズ・ヘッドに行くところじゃ……悪く思わんでくだされ。今夜は少し静かなところに行きたい気分でのう……」
ほどなく二人は、横道に入った。風もないのに、ホッグズ・ヘッドの看板かんばんがキーキーと小さく軋きしんでいた。「三本の箒」と対照的に、このパブはまったく空っぽのようだった。
「中に入る必要はなかろう」
ダンブルドアは、あたりを見回して呟つぶやいた。
「我々が消えるのを、誰だれにも目もく撃げきされないかぎり……さあ、ハリー、片手をわしの腕に置くがよい。強く握る必要はないぞ。きみを導みちびくだけじゃからのう。三つ数えて――いち……に……さん……」
ハリーは回転した。たちまち、太いゴム管の中に押し込められているような、いやな感覚に襲おそわれた。息ができない。体中のありとあらゆる部分が、我慢がまんできないほどに圧あっ縮しゅくされ、そして、窒息ちっそくすると思ったその瞬しゅん間かん、見えないバンドがはちきれたようだった。
ハリーは冷たい暗くら闇やみの中に立ち、胸一杯に新鮮しんせんな潮風しおかぜを吸すい込んでいた。
“——不许进来!”罗斯默塔大喊道,强行撵出一个看起来很邋遢的巫师,“哦,你好,阿不思……这么晚出来……”
“晚上好,罗斯默塔,晚上好……原谅我,我要去猪头酒吧……别见怪,只是我今晚想有一个更安静的氛围……”
过了一小会儿,他们拐进了一条小街,猪头酒吧的标记在吱吱地发出轻响,尽管没有风。与三把扫帚相比,这间酒吧里显得空空荡荡的。
“我们没有必要进去,”邓布利多扫视了一圈,喃喃地说,“只要没有人看见我们离开……现在你把手放在我的胳膊上,哈利。不用抓得太紧,我只是引着你。我数三声——一……二……三……”
哈利旋转起来。立刻又是那种恐怖的感觉,像是被挤在一个厚厚的橡皮管子里,他不能呼吸,身体的每一个部位都遭受着挤压,简直要超过他忍耐的极限了。然后,就在他认为自己肯定要窒息时,无形的管子突然迸裂开来,他站在凉爽的黑暗中,大口大口地呼吸着新鲜的、咸丝丝的空气。