一いっ瞬しゅんハリーを見つめたあと、マクゴナガル先生の体がぐらりと揺ゆれた。すでに立ち直っていたマダム・ポンフリーが走り出て、どこからともなく椅い子すを取り出し、マクゴナガルの体の下に押し込んだ。
「スネイプ」
椅子に腰こしを落としながら、マクゴナガル先生が弱々しく繰くり返した。
「私わたくしたち全員が怪しんでいました……しかし、ダンブルドアは信じていた……いつも……スネイプが……信じられません……」
「スネイプは熟じゅく達たつした閉へい心しん術じゅつ士しだ」
ルーピンが似つかわしくない乱暴な声で言った。
「そのことはずっとわかっていた」
「しかしダンブルドアは、スネイプは誓ちかってわたしたちの味方だと言ったわ!」
トンクスが小声で言った。
「わたしたちの知らないスネイプの何かを、ダンブルドアは知っているに違いないって、わたしはいつもそう思っていた……」
「スネイプを信用するに足る鉄壁てっぺきの理由があると、ダンブルドアは常々そう仄ほのめかしていました」
マクゴナガルは、タータンの縁取ふちどりのハンカチを目頭に当て、溢あふれる涙なみだを押さえながら呟つぶやいた。
「もちろん……スネイプは、過去が過去ですから……当然みんなが疑いました……しかしダンブルドアが私わたくしにはっきりと、スネイプの悔恨かいこんは絶対に本物だとおっしゃいました……スネイプを疑う言葉は、一言も聞こうとなさらなかった!」
「ダンブルドアを信用させるのに、スネイプが何を話したのか、知りたいものだわ」
トンクスが言った。
「僕は知ってる」ハリーが言った。
全員が振り返ってハリーを見つめた。
「スネイプがヴォルデモートに流した情報のおかげで�ass="title">