全員が黙だまり込んだ。フォークスの嘆なげきが、暗い校庭の上にまだ響ひびき渡っていた。夜の空気を震ふるわせるその音楽を聞きながら、ハリーの頭に、望みもしない、考えたくもない思いが忍び込んできた……ダンブルドアの亡なき骸がらは、もう塔とうの下から運び出されたのだろうか? それからどうなるのだろう? どこに葬ほうむられるのだろう? ハリーはポケットの中で拳こぶしをぎゅっと握りしめた。右手の指の関節かんせつに、偽にせの分ぶん霊れい箱ばこのひんやりとした小さい塊かたまりを感じた。
病びょう棟とうの扉とびらが勢いよく開き、みんなを飛び上がらせた。ウィーズリー夫妻が急ぎ足で入ってきた。そのすぐ後ろに、美しい顔を恐きょう怖ふに強張こわばらせたフラーの姿があった。
「モリー――アーサー――」
マクゴナガル先生が飛び上がって、急いで二人を迎えた。
「お気の毒です――」
「ビル」
めちゃめちゃになったビルの顔を見るなり、ウィーズリー夫人はマクゴナガル先生のそばを走り過ぎ、小声で呼びかけた。
「ああ、ビル!」
ルーピンとトンクスが急いで立ち上がり、身を引いて、ウィーズリー夫妻がベッドに近寄れるようにした。ウィーズリー夫人は、息子に覆おおいかぶさり、血だらけの額ひたいに口づけした。
「息子はグレイバックに襲おそわれたとおっしゃいましたかね?」
ウィーズリー氏が、気がかりでたまらないようにマクゴナガル先生に聞いた。
「しかし、変身してはいなかったのですね? すると、どういうことなのでしょう? ビルはどうなりますか?」
「まだわからないのです」マクゴナガル先生は、助けを求めるようにルーピンを見た。
「アーサー、おそらく、何らかの汚染おせんはあるだろう」ルーピンが言った。
「珍めずらしいケースだ。おそらく例がない……ビルが目を�ass="title">