「あぁ、ママなんか、アイロンかけする『しもべ妖精』がいたらいいのにって、しょっちゅう言ってるよ。だけど家うちにいるのは、やかましい屋や根ね裏うらお化ばけと、庭に巣す食くってる小こ人びとだけだもんな。『屋敷しもべ妖精』は、大きな館やかたとか城とか、そういうところにいるんだ。俺おれたちの家なんかには、絶ぜっ対たいに来やしないさ……」とジョージ。
ハリーは黙だまっていた。ドラコ・マルフォイがいつも最高級の物を持っていることから考えても、マルフォイ家には魔法使いの金きん貨かが唸うなっているのだろう。マルフォイが大きな館の中をいばって歩いている様子ようすが、ハリーには目に浮うかぶようだった。『屋敷しもべ』を送ってよこし、ハリーがホグワーツに戻れなくしようとするなんて、まさにマルフォイならやりかねない。ドビーの言うことを信じたハリーがバカだったんだろうか
「とにかく、迎むかえにきてよかった」ロンが言った。「いくら手紙を出しても返事をくれないんで、僕、ほんとに心配したぜ。初めはエロールのせいかと思ったけど――」
「エロールって誰」