「スリザリンよ。ホグワーツ四よん強きょうの中で最強の者よ。我われに話したまえ」
ハリーが向きを変えて石像を見上げた。フォークスもハリーの肩の上で揺ゆれた。
スリザリンの巨大な石の顔が動いている。恐きょう怖ふに打ちのめされながら、ハリーは石像の口がだんだん広がっていき、ついに大きな黒い穴になるのを見ていた。
何かが、石像の口の中でうごめいていた。何かが、奥のほうからズルズルと這はい出してきた。
ハリーは「秘ひ密みつの部へ屋や」の暗い壁かべにぶつかるまで、後ずさりした。目を固く閉じた時、フォークスが飛び立ち、翼つばさが頬ほおをこするのを感じた。ハリーは「僕を独ひとりにしないで」と叫さけびたかった。しかし、蛇へびの王の前で、不ふ死し鳥ちょうに勝ち目などあるだろうか
何か巨大なものが部屋の石の床に落ち、床の振しん動どうが伝わってきた。何が起こっているのかハリーにはわかっていた。感覚でわかる。巨大な蛇がスリザリンの口から出てきて、とぐろを解といているのが目に見えるような気がした。リドルの低いシューッという声が聞こえてきた。
「あいつを殺せ」
バジリスクがハリーに近づいてくる。埃ほこりっぽい床をズルッズルッとずっしりした胴どう体たいを滑すべらせる音が聞こえた。ハリーは目をしっかり閉じたまま、手を伸のばし、手て探さぐりで横に走って逃げようとした。リドルの笑う声がする……。
ハリーは躓つまずき、石の床でしたたかに顔を打ち、口の中で血の味がした。毒どく蛇じゃはすぐそばまで来ている。近づく音が聞こえる。
ハリーの真上で破は裂れつするようなシャーッシャーッという大きな音がした。何か重いものがハリーにぶつかり、その強きょう烈れつな衝しょう撃げきでハリーは壁かべに打ちつけられた。いまにも毒どく牙がが体にズブリと突き刺ささるかと覚かく悟ごした時、ハリーの耳に狂ったようなシューシューという音と、何かがのた打ち回って、柱を叩たたきつけている音が聞こえた。
もう我が慢まんできなかった。ハリーはできるだけ細く目を開け、何が起こっているのかを見ようとした。
一个庞然大物猛地摔落在石头地面上,哈利感到密室被震得颤抖起来。他知道是怎么回事,他可以感觉到,他几乎可以看见那条巨蛇正从斯莱特林的嘴里展开它盘绕的身体。然后,他听见了里德尔那嘶嘶的声音:
“杀死他。”