「パパ、何なんかおもしろいもの見つけた」とフレッドが急せき込こんで聞いた。
「私が押おう収しゅうしたのはせいぜい、縮ちぢむ鍵かぎ数個と、噛かみつくヤカンが一個だけだった」
ウィーズリー氏しは欠伸あくびをした。
「かなりすごいのも一つあったが、私の管かん轄かつじゃなかった。モートレイクが引ひっ張ぱられて、なにやらひどく奇き妙みょうなイタチのことで尋じん問もんを受けることになったが、ありゃ、実じっ験けん的てき呪じゅ文もん委い員いん会かいの管轄だ。やれやれ……」
「鍵なんか縮むようにして、なんになるの」ジョージが聞いた。
「マグルをからかう餌えさだよ」ウィーズリー氏がまたため息をついた。「マグルに鍵を売って、いざ鍵を使うときには縮んで鍵が見つからないようにしてしまうんだ。……もちろん、犯人を挙あげることは至し極ごく難しい。マグルは鍵が縮んだなんて誰も認めないし――連れん中ちゅうは鍵を失くしたって言い張るんだ。まったくおめでたいよ。魔法を鼻先に突きつけられたって徹てっ底てい的てきに無む視ししようとするんだから……。しかし、我々の仲間が魔法をかけた物ときたら、まったく途と方ほうもない物が――」
「たとえば車なんか」
ウィーズリー夫人が登場した。長い火ひ掻かき棒を刀のように構かまえている。ウィーズリー氏の目がパッチリ開いた。奥さんをバツの悪そうな目で見た。
「モリー、母かあさんや。く、くるまとは」
「ええ、アーサー、そのくるまです」ウィーズリー夫ふ人じんの目はランランだ。「ある魔ま法ほう使つかいが、錆さびついたおんぼろ車を買って、奥さんには仕組みを調べるので分ぶん解かいするとかなんとか言って、実は呪文をかけて車が飛べるようにした、というお話がありますわ」
ウィーズリー氏は目をパチクリした。