一いっ刻こくも早くここを出たほうがいい。暖炉の床にぶつけた鼻がまだズキズキしていたが、ハリーは素す早ばやくこっそりと出口に向かった。が、途と中ちゅうまで来た時、ガラス戸の向こうに二つの人ひと影かげが見えた。その一人は――こんなときに最悪の出会い。メガネは壊れ、煤だらけで、迷まい子ごになったハリーがもっとも会いたくない人じん物ぶつ――ドラコ・マルフォイだった。
ハリーは急いで周まわりを見回し、左のほうに大きな黒いキャビネット棚だなを見つけ、中に飛び込んで身を隠かくした。扉とびらを閉め、覗のぞき用の隙すき間まを細く開けた。数秒後、ベルがガラガラと鳴り、マルフォイが入ってきた。
そのあとに続いて入ってきたのは父親に違いない。息むす子こと同じ血の気のない顔、尖とがった顎あご、息子と瓜うり二ふたつの冷たい灰色の目をしている。マルフォイ氏しは、陳ちん列れつの商品に何気なく目をやりながら、店の奥まで入ってきた。カウンターのベルを押し、息子に向かって言った。
「ドラコ、いっさい触さわるんじゃないぞ」
ドラコは義眼に手を伸のばしていたが、「何かプレゼントを買ってくれるんだと思ったのに」と言った。
「競きょう技ぎ用の箒ほうきを買ってやると言ったんだ」父親は、カウンターを指でトントン叩たたきながら言った。
「寮りょうの選手に選ばれなきゃ、そんなの意味ないだろ」
マルフォイはすねて不ふ機き嫌げんな顔をした。
要尽快离开这里。鼻子还火辣辣地痛,哈利迅速轻手轻脚地向门口走去,可是还没走到一半,门外出现了两个人—— 其中一个是哈利此刻最不想遇到的人:德拉科马尔福。啊,可不能让马尔福看到他迷了路,满身煤灰,戴着破眼镜。
哈利迅速朝四下一望,看到左边有一个黑色的大柜子,便闪身钻了进去,掩上门,只留了一条细缝。几秒钟后,铃声一晌,马尔福走进了店里。
他身后的那个男人只能是他的父亲,也是那样苍白的尖脸,那样冷漠的灰眼睛。马尔福先生穿过店堂,懒洋洋地看着陈列的物品,摇响了柜台上的铃铛,然后转身对儿子说:“什么都别碰,德拉科。”
马尔福正要伸手摸那只玻璃眼球,他说:“我以为你要给我买件礼物呢。”
“我是说要给你买一把比赛用的扫帚。”他父亲用手指叩着柜台说。
“如果我不是学院队的队员,买扫帚又有什么用?”马尔福气呼呼地说,