「ハリー・ポッターなんか、去年ニンバスをもらったんだ。グリフィンドールの寮チームでプレイできるように、ダンブルドアから特別許きょ可かももらった。あいつ、そんなにうまくもないのに。単に有名だからなんだ……額ひたいにバカな傷きずがあるから有名なんだ」
ドラコ・マルフォイは屈かがんで、髑どく髏ろの陳ちん列れつ棚だなをしげしげ眺ながめた。
「……どいつもこいつも、ハリーがかっこいいって思ってる。額に傷、手に箒ほうきの、すてきなポッター――」
「同じことをもう何十回と聞かされた」
マルフォイ氏しが、押さえつけるような目で息むす子こを見た。
「しかし、言っておくが、ハリー・ポッターが好きではないような素そ振ぶりを見せるのは、なんと言うか――賢けん明めい――ではないぞ。とくにいまは、大多数の者が彼を、闇やみの帝てい王おうを消したヒーローとして扱っているのだから――。やぁ、ボージン君」
猫ねこ背ぜの男が脂あぶらっこい髪かみを撫なでつけながらカウンター�