「俺おれの手紙に返事をくれなんだのはどうしてかい」
ハリーはハグリッドに並んで小走りに走っていたハグリッドのブーツが大おお股またに一歩踏ふみ出すたびに、ハリーは三歩歩かなければならなかった。ハリーはドビーのことや、ダーズリーが何をしたかを話して聞かせた。
「腐くされマグルめ。俺がそのことを知っとったらなぁ」ハグリッドは歯は噛がみした。
「ハリー ハリー ここよ」
ハリーが目を上げると、グリンゴッツの白い階段の一番上に、ハーマイオニー・グレンジャーが立っていた。ふさふさした栗くり色いろの髪かみを後ろになびかせながら、ハーマイオニーは二人のそばに駆かけ下りてきた。
「メガネをどうしちゃったの ハグリッド、こんにちは……あぁ、また二人に会えて、私とってもうれしい……ハリー、グリンゴッツに行くところなの」
「ウィーズリーさんたちを見つけてからだけど」
「おまえさん、そう長く待たんでもええぞ」ハグリッドがにっこりした。
ハリーとハーマイオニーが見回すと、人ひと混ごみでごった返した通りを、ロン、フレッド、ジョージ、パーシー、ウィーズリーおじさんが駆けてくるのが見えた。
「ハリー」ウィーズリーおじさんがあえぎながら話しかけた。
「せいぜい一つ向こうの火ひ格ごう子しまで行きすぎたくらいであればと願っていたんだよ……」
おじさんは禿はげた額ひたいに光る汗を拭ぬぐった。
「モリーは半はん狂きょう乱らんだったよ。――いまこっちへ来るがね」
「どっから出たんだい」とロンが聞いた。
「夜の闇ノクターン横よこ丁ちょう」ハグリッドが暗い顔をした。
「すっげぇ」フレッドとジョージが同時に叫さけんだ。
「僕たち、そこに行くのを許してもらったことないよ」ロンがうらやましそうに言った。
「そりゃぁ、そのほうがずーっとええ」ハグリッドが呻うめくように言った。