「行こうぜ」
右のほうからロンの声だけが聞こえた。
車は上じょう昇しょうし、地面や車の両側の汚れたビルが見る見る下に落ちていくようだった。数秒後、ロンドン全体が、煙けぶり輝かがやきながら眼がん下かに広がった。
その時、ポンと音がして、車とハリーとロンが再び現れた。
「ウ、ヮ」ロンが透とう明めいブースターを叩いた。「いかれてる――」
二人してボタンを拳こぶしでドンドンと叩いた。車が消えた。と、またポワーッと現れた。
「つかまってろ」
ロンはそう叫さけぶとアクセルを強く踏ふんだ。車はまっすぐに、低くかかった綿わた雲ぐもの中に突っ込み、あたり一面が霧きりに包つつまれた。
「さて、どうするんだい」
ハリーは周まわり中から濃こい雲の塊かたまりが押し寄せてくるので目をパチパチさせながら聞いた。
「どっちの方向に進んだらいいのか、汽き車しゃを見つけないとわからない」ロンが言った。
「もう一度、ちょっとだけ降おりよう――急いで――」
二人はまた雲の下に降りて、座ざ席せきに座ったまま体をよじり、目を凝こらして地上を見た。
「見つけた」ハリーが叫んだ。「まっすぐ前方――あそこ」
ホグワーツ特とっ急きゅうは紅くれないのヘビのようにくねくねと二人の眼下を走っていた。
「進しん路ろは北だ」ロンが計器盤のコンパスで確かく認にんした。
「オーケーだ。これからは三十分ごとぐらいにチェックすればいい。つかまって……」
車はまた雲の波を突き抜けて上昇した。一分後、二人は灼やけるような太陽の光の中に飛び出した。
“起飞。”罗恩的声音在他右边说。两旁的地面和肮脏的建筑物沉落下去,一会儿就看不见了。汽车越升越高,几秒钟后,整个伦敦城展现在他们下方,烟雾蒙蒙,微微地闪着亮光。突然噗的一声,汽车、哈利和罗恩又重新显现了。“唉呀,”罗恩捅着隐形助推器说,“这开关有毛病—— ”
他们一起猛敲那个按钮。汽车消失了,但很快又闪闪烁烁地现了形。“坐好!”罗恩喊了一声,猛踩油门,他们笔直射入低空棉絮状的云层里,一切都暗淡模糊起来。“现在怎么办?”哈利问,从四面压过来的云块让他感到有些晃眼。
“我们需要看到火车才能知道往哪个方向走。” 罗恩说。
“还是降下去—— 快—— ”
他们重新降到云层下面,扭过身体眯眼向地面搜寻。
“看到了!”哈利喊道,“就在前面—— 那儿!”
霍格沃茨特快列车像一条红蛇在他们下方疾驰。
“正北,”罗恩对了对仪表板上的罗盘说,“好,我们只要每半小时下来看一眼就行了。坐好..”汽车急速钻入云层。一分钟后,他们就冲进了炫目的阳光中。