「僕たち、荷物をまとめます」ロンが観かん念ねんしたような声で言った。
「ウィーズリー、どういうつもりですか」とマクゴナガル先生がガツンと言った。
「でも、僕たちを退たい校こう処しょ分ぶんになさるんでしょう」とロンが言った。
ハリーは急いでダンブルドアの顔を見た。
「ミスター・ウィーズリー、今日というわけではない。しかし、君たちのやったことの重大さについては、はっきりと二人に言っておかねばのう。今こん晩ばん二人のご家族に、わしから手紙を書こう。それに、二人には警けい告こくしておかねばならんが、今後またこのようなことがあれば、わしとしても、二人を退学にせざるをえんのでな」
スネイプは、クリスマスがおあずけになったような顔をした。咳せき払ばらいをしてスネイプが言った。
「ダンブルドア校長、この者たちは『未み成せい年ねん魔ま法ほう使つかいの制せい限げん事じ項こう令れい』を愚ぐ弄ろうし、貴き重ちょうな古こ木ぼくに甚じん大だいなる被ひ害がいを与えております……このような行こう為いはまさしく……」
「セブルス、この少年たちの処しょ罰ばつを決めるのはマクゴナガル先生じゃろう」
ダンブルドアは静かに言った。
「二人はマクゴナガル先生の寮りょうの生徒じゃから、彼女の責任じゃ」
ダンブルドアはマクゴナガル先生に向かって話しかけた。
「ミネルバ、わしは歓かん迎げい会かいのほうに戻もどらんと。二ふた言こと、三み言こと、話さねばならんのでな。さあ行こうかの、セブルス。うまそうなカスタード・タルトがあるんじゃ。わしゃ、あれを一口食べてみたい」
しぶしぶ、自分の部屋から連れ去られるように出ていきながら、スネイプは、ハリーとロンを毒どく々どくしい目つきで見た。あとに残された二人を、マクゴナガル先生が、相あい変かわらず怒いかれる鷲わしのような目で見据すえていた。