ハリーは肖しょう像ぞう画がの穴をよじ登った。
「ウワッ 待ってよ クィディッチって、僕ぼく、見たことないんだ」
コリンも肖像画の穴を這はい上がってついてきた。
「きっと、ものすごくつまんないよ」
ハリーが慌あわてて言ったが、コリンの耳には入らない。興こう奮ふんで顔を輝かがやかせていた。
「君って、この百年間で最年少の寮りょう代だい表ひょう選せん手しゅなんだって ね、ハリー、そうなの」
コリンはハリーと並んでとことこ小走りになって歩いた。
「君って、きっとものすごく上う手まいんだね。僕、飛んだことないんだ。簡かん単たん それ、君の箒ほうきなの それって、一番いいやつなの」
ハリーはどうやってコリンを追おっ払ぱらえばいいのか途と方ほうに暮くれた。まるで、恐ろしくおしゃべりな自分の影かげ法ぼう師しにつきまとわれているようだった。
コリンは息を弾はずませてしゃべり続けている。
「クィディッチって、僕、あんまり知らないんだ。ボールが四つあるってほんと そしてそのうちの二つが、飛び回って、選手を箒から叩たたき落とすんだって」
「そうだよ」
ハリーはやれやれと諦あきらめて、クィディッチの複ふく雑ざつなルールについて説明することにした。
「そのボールはブラッジャーっていうんだ。チームには二人のビーターがいて、クラブっていう棍こん棒ぼうでブラッジャーを叩いて、自分のチームからブラッジャーを追っ払うんだ。フレッドとジョージ・ウィーズリーがグリフィンドールのビーターだよ」
「それじゃ、ほかのボールはなんのためなの」
コリンはポカッと口を開けたままハリーに見とれて、階段を二、三段踏ふみ外はずしそうになりながら聞いた。