「えーと、まずクアッフル。――一番大きい赤いやつ――これをゴールに入れて点を取る。各チームにチェイサーが三人いて、クアッフルをパスし合って、コートの端はしにあるゴールを通つう過かさせる。――ゴールって、てっぺんに輪わっかがついた長い柱で、両端に三本ずつ立ってる」
「それで四番目のボールが――」
「金きん色いろのスニッチだよ」ハリーがあとを続けた。
「とても小さいし、速はやくって、捕つかまえるのは難むずかしい。だけどシーカーはそれを捕まえなくちゃいけないんだ。だって、クィディッチの試し合あいは、スニッチを捕まえるまでは終わらないんだ。シーカーがスニッチを捕まえたほうのチームには一五〇点加か算さんされる」
「そして、君はグリフィンドールのシーカーなんだ。ね」
コリンは尊そん敬けいの眼まな差ざしで言った。
「そうだよ」
二人は城をあとにし、朝あさ露つゆでしっとり濡ぬれた芝しば生ふを横切りはじめた。
「それからキーパーがいる。ゴールを守るんだ。それでだいたいおしまいだよ。うん」
それでもコリンは質問をやめなかった。芝生の斜しゃ面めんを下りる間も、クィディッチ競きょう技ぎ場じょうに着くまでずっとハリーを質問攻ぜめにし、やっと振ふり払はらうことができたのは、更こう衣い室しつにたどり着いた時だった。
「僕ぼく、いい席せきを取りにいく」
コリンはハリーの後ろから上うわずった声で呼びかけ、スタンドのほうに走っていった。
グリフィンドールの選手たちはもう更衣室に来ていた。ばっちり目覚めているのはウッドだけのようだった。フレッドとジョージは腫はれぼったい目で、くしゃくしゃ髪がみのまま座り込こんでいたし、その隣となりの四年生のチェイサー、アリシア・スピネットときたら、後ろの壁かべにもたれてこっくりこっくりしているようだった。その向かい側で、チェイサー仲なか間まのケイティ・ベルとアンジェリーナ・ジョンソンが並んで欠伸あくびをしていた。