「こっちを向いて、ハリー こっちだよ」コリンは黄色い声を出した。
「誰だ あいつ」とフレッドが言った。
「全然知らない」
ハリーは嘘うそをついた。そして、スパートをかけ、コリンからできるだけ離はなれた。
「いったいなんだ あれは」
しかめっ面つらでウッドが二人のほうへ、スイーッと風に乗って飛んできた。
「なんであの一年坊ぼう主ずは写真を撮とってるんだ 気に入らないなあ。我われ々われの新しい練習方法を盗ぬすみにきた、スリザリンのスパイかもしれないぞ」
「あの子、グリフィンドールだよ」ハリーは慌あわてて言った。
「それに、オリバー、スリザリンにスパイなんて必要ないぜ」とジョージも言った。
「なんでそんなことが言えるんだ」ウッドは短気になった。
「ご本人たちがお出ましさ」
ジョージが指ゆび差さしたほうを見ると、グリーンのローブを着き込こんで、箒ほうきを手に、数人がピッチに入ってくるところだった。
「そんなはずはない」ウッドが怒いかりで歯は軋ぎしりした。
「このピッチを今日予よ約やくしてるのは僕ぼくだ。話をつけてくる」
ウッドは一いっ直ちょく線せんにグラウンドに向かった。怒りのため、着地で勢いきおいあまって突っ込こみ気ぎ味みになり、箒から降おりる時も少しよろめいた。ハリー、フレッド、ジョージもウッドに続いた。
「フリント」
ウッドはスリザリンのキャプテンに向かって怒ど鳴なった。
「我々の練習時間だ。そのために特とく別べつに早起きしたんだ いますぐ立ち去ってもらおう」
マーカス・フリントはウッドよりさらに大きい。トロール並みのずるそうな表情を浮うかべ、「ウッド、俺おれたち全部が使えるぐらい広いだろ」と答えた。
アンジェリーナ、アリシア、ケイティもやってきた。