「ウーム、そりゃ、ロン、やつに呪のろいをかけたくなるのも無む理りはねぇ」
大たい量りょうのナメクジが、ドサドサと洗せん面めん器きの底に落ちる音を、かき消すような大声でハグリッドが言った。
「だけんど、おまえさんの杖つえが逆ぎゃく噴ふん射しゃしたのはかえってよかったかもしれん。ルシウス・マルフォイが、学校に乗り込こんできおったかもしれんぞ、おまえさんがやつの息むす子こに呪いをかけっちまってたら。少なくとも、おまえさんは面めん倒どうに巻き込まれずにすんだっちゅうもんだ」
――ナメクジが次々と口から出てくるだけでも十分面倒だけど――とハリーは言いそうになったが、言えなかった。ハグリッドのくれた糖とう蜜みつヌガーが上うわ顎あごと下した顎あごをセメントのようにがっちり接せっ着ちゃくしてしまっていた。
「ハリー――」ふいに思い出したようにハグリッドが言った。
「おまえさんにもちいと小こ言ごとを言うぞ。サイン入りの写真を配っとるそうじゃないか。なんで俺おれに一枚くれんのかい」
ハリーは怒いかりにまかせて、くっついた歯をぐいとこじ開けた。
「サイン入りの写真なんて、僕、配ってない。もしロックハートがまだそんなこと言いふらして……」
ハリーはむきになった。ふとハグリッドを見ると、笑っている。
「からかっただけだ」
ハグリッドは、ハリーの背中をやさしくポンポンと叩たたいた。おかげでハリーはテーブルの上に鼻から先につんのめった。
「おまえさんがそんなことをせんのはわかっとる。ロックハートに言ってやったわ。おまえさんはそんな必要ねえって。何にもせんでも、おまえさんはやっこさんより有名だって」
「ロックハートは気に入らないって顔したでしょう」
ハリーは顎あごをさすりながら体を立て直した。
哈利本想指出,再大的麻烦也不会比嘴里吐出鼻涕虫糟糕多少,可是他张不开嘴,海格的乳脂软糖把他的上下牙粘在一起了。
“哈利,”海格好像突然想到什么似的说,“我要跟你算算账。听说你发签名照片了,我怎么没拿到啊?”
哈利怒不可遏,使劲张开被粘住的嘴。
“我没发签名照片,”他激烈地抗议道,“要是洛哈特还在散布这种谣言—— ”
可是他看到海格笑了。
“我是开玩笑,”他亲切地拍了拍哈利的后背,拍得哈利的脸磕到了桌面上。 “我知道你没有。我告诉洛哈特你不需要那样做。你不用花心思就已经比他有名了。”
“我敢说他听了不大高兴。”
哈利坐直身体,揉着下巴说。