それは声だった――骨の髄ずいまで凍こおらせるような声。息が止まるような、氷のように冷たい毒どくの声。
「来るんだ……。俺おれ様さまのところへ……引き裂さいてやる……八やつ裂ざきにしてやる……殺してやる……」
ハリーは飛び上がった。ベロニカ・スメスリーの住所の、丁ちょう目めのところにライラック色の滲にじみができた。
「なんだって」ハリーが大声で言った。
「驚おどろいたろう 六ヵ月連れん続ぞくベストセラー入り 新しん記き録ろくです」ロックハートが答えた。
「そうじゃなくて、あの声」ハリーは我われを忘れて叫さけんだ。
「えっ」ロックハートは不ふ審しんそうに聞いた。「どの声」
「あれです――いまのあの声です――聞こえなかったんですか」
ロックハートは唖あ然ぜんとしてハリーを見た。
「ハリー、いったい何のことかね 少しとろとろしてきたんじゃないのかい おやまぁ、こんな時間だ 四時間近くここにいたのか 信じられませんね。――矢のように時間が経たちましたね」
ハリーは答えなかった。じっと耳を澄すませてもう一度あの声を聞こうとしていた。しかし、もう何の音もしなかった。ロックハートが「処しょ罰ばつを受ける時、いつもこんなにいい目に遭あうと期待してはいけないよ」とハリーに言っているだけだった。ハリーはぼーっとしたまま部屋を出た。
是一个说话声,一个令人毛骨悚然、呼吸停止、冰冷恶毒的说话声。“来..过来..让我撕你..撕裂你..杀死你..”哈利猛地一跳,维罗妮卡.斯美斯丽地址的街道名上出现了一大团丁香色的墨渍。“什么?”他大声说。
“我知道!”洛哈特说,“六个月连续排在畅销书榜首!空前的记录!'’“不是,”哈利发狂地说,“那个声音!”“对不起,”洛哈特迷惑地问道,“什么声音?'’“那个—— 那个声音说—— 你没听见吗?”洛哈特十分惊愕地看着哈利。
“你在说什么,哈利?你可能有点犯困了吧?老天爷—— 看看都几点了!我们在这儿待了将近四个小时!我真不敢相信—— 时间过得真快。是不是?”
哈利没有回答。他竖起耳朵听那个声音,可是再也没有了,只听见洛哈特还在对他唠叨,说他别指望每次被罚留校都有这么好的运气。哈利带着一肚子疑惑离开了。