「ほとんど首くび無なしニック」、グリフィンドール塔に住むゴーストだった。ふさぎ込こんで窓の外を眺ながめながら、ブツブツつぶやいている。
「……要よう件けんを満たさない……たったの一センチ、それ以下なのに……」
「やあ、ニック」ハリーが声をかけた。
「やあ、こんにちは」
ニックは不ふ意いを衝つかれたように振ふり向いた。ニックは長い巻き毛の髪かみに派は手でな羽はね飾かざりのついた帽ぼう子しをかぶり、ひだ襟えりのついた短い上着を着ていた。襟に隠かくれて、見た目には、首がほとんど完全に切り落とされているのがわからない。薄うすい煙のようなニックの姿を通して、ハリーは外の暗い空と、激はげしい雨を見ることができた。
「お若いポッター君、心しん配ぱい事ごとがありそうだね」
ニックはそう言いながら透とう明めいの手紙を折おって、上着の内ポケットにしまい込んだ。
「お互いさまだね」ハリーが言った。
「いや」
「ほとんど首無しニック」は優ゆう雅がに手を振ふりながら言った。
「たいしたことではありません……本気で入会したかったのとは違いましてね……ちょっと申もうし込んでみようかと。しかし、どうやら私わたくしは『要件を満たさない』」
言葉は軽けい快かいだったが、ニックの顔はとても辛つらそうだった。
「でも、こうは思いませんか」
ニックは急にポケットから先ほどの手紙を引ひっ張ぱり出し、堰せきを切ったように話した。
「切れない斧おので首を四十五回も切りつけられたということだけでも、『首くび無なし狩がり』に参加する資し格かくがあると……」
「あー、そうだね」ハリーは当然同意しないわけにはいかなかった。
格兰芬多城堡的幽灵,“差点没头的”尼克正忧郁地望着窗外,嘴里低声念叨着:“...不符合他们的条件...就差半寸,如果那...”
“你好。尼克。”哈利说。
“你好,你好。”差点没头的尼克吃了一惊,四下张望着。他长长的鬈发上扣着一顶很时髦的、插着羽毛的帽子,身上穿着一件长达膝盖的束腰外衣,上面镶着车轮状的皱领,掩盖住了他的脖子几乎被完全割断的事实。他像一缕轻烟一样似有若无,哈利可以透过他的身体眺望外面黑暗的天空和倾盆大雨。
“你好像有心事,年轻的波特。”尼克说着,把一封透明的信叠起来,藏进了紧身上衣里。
“你也是啊。”哈利说。
“啊,”差点没头的尼克挥着一只优雅修长的手,“小事一桩..并不是我真的想参加..我以为可以申请,可是看样子我‘不符合条件’。”
他的口气是满不在乎的,但他脸上却显出了深切的痛苦。
“你倒是说说看,”他突然爆发了,把那封信又从口袋里抽了出来,“脖子上被一把钝斧子砍了四十四下,有没有资格参加无头猎手队?”
“噢—— 有的。”哈利显然应该表示同意。