ハリーはおもしろくなって、封ふう筒とうの中なか身みをパラパラめくった。――いったいどうしてフィルチはクイックスペル・コースを受けたいんだろう 彼はちゃんとした魔法使いではないんだろうか ハリーは第一章を読んだ。「杖つえの持ち方大切なコツ」。その時、ドアの外で足を引きずるような音がして、フィルチが戻もどってくるのがわかった。ハリーは羊よう皮ひ紙しを封筒に戻もどし、机の上に放ほうり投げた。ちょうどドアが開いたときだった。
フィルチは勝ち誇ほこっていた。
「あの『姿すがたをくらます飾かざり棚だな』は非常に値ね打うちのあるものだった」
フィルチはミセス・ノリスに向かっていかにもうれしそうに言った。
「なあ、おまえ、今度こそピーブズめを追い出せるなぁ」
フィルチの目がまずハリーに、それから矢のようにクイックスペルの封筒へと移った。ハリーは「しまった」と思った。封筒は元の位置から六十センチほどずれたところに置かれていた。
フィルチの青白い顔が、レンガのように赤くなった。フィルチの怒いかりが津つ波なみのように押し寄せるだろうと、ハリーは身み構がまえた。フィルチは机のところまで不ぶ恰かっ好こうに歩き、封筒をさっと取り、引き出しに放り込こんだ。
「おまえ、もう……読んだか――」フィルチがブツブツ言った。
「いいえ」ハリーは急いで嘘うそをついた。
フィルチはごつごつした両手を絞しぼるように握にぎり合わせた。
哈利被吸引住了,他用手指翻动着信封里其余的羊皮纸。费尔奇为什么要学习快速念咒课程呢?这难道意味着他不是一个正规的巫师?哈利刚刚读到“第一课:拿住你的魔杖(几点有用的忠告)”,外面就传来了踢踢踏踏的脚步声。他知道费尔奇回来了,便赶紧把羊皮纸塞进信封,扔回到桌上。就在这时,门开了。
费尔奇一副大获全胜的样子。“那个消失柜特别珍贵!”他高兴地对洛丽丝夫人说,“这次我们可以叫皮皮-72 -鬼滚蛋了,亲爱的!”
他的目光落到了哈利身上,又赶紧转向那个快速念咒信封,哈利这才发现它离刚才的位置偏了两英尺,然而已经来不及了。
费尔奇苍白的脸一下子变得通红。哈利鼓起勇气,等待着他大发雷霆。费尔奇一瘸一拐地走向桌子,一把抓起信封,扔进了抽屉。
“你有没有—— 你看了—— ?”他语无伦次地问。
“没有。”哈利赶紧撒谎。
费尔奇把两只关节突出的手拧在一起。