地下牢の反対側には長テーブルがあり、これにも真っ黒なビロードがかかっていた。三人は興きょう味み津しん々しんで近づいていったが、次の瞬しゅん間かん、ぞっとして立ちすくんだ。吐はき気けのするような臭においだ。しゃれた銀の盆ぼんに置かれた魚は腐くさり、銀の丸まる盆ぼんに山やま盛もりのケーキは真っ黒焦こげ、スコットランドの肉にく料りょう理り、ハギスの巨大な塊かたまりには蛆うじが湧わいていた。厚あつ切ぎりチーズは毛が生はえたように緑色の黴かびで覆おおわれ、一段と高いところにある灰色の墓はか石いしの形をした巨大なケーキには、砂さ糖とうの代わりにコールタールのようなもので文字が書かれていた。
ニコラス・ド・ミムジー・ポーピントン卿きょう
一四九二年十月三十一日没ぼつ
恰かっ幅ぷくのよいゴーストがテーブルに近づき、身を屈かがめてテーブルを通り抜けながら、大きく口を開けて、異い臭しゅうを放はなつ鮭さけの中を通り抜けるようにしたのを、ハリーは驚おどろいてまじまじと見つめた。
「食べ物を通り抜けると味がわかるの」ハリーがそのゴーストに聞いた。
「まあね」ゴーストは悲しげにそう言うと、ふわふわ行ってしまった。
「つまり、より強い風ふう味みをつけるために腐くさらせたんだと思うわ」
ハーマイオニーは物知り顔でそう言いながら、鼻をつまんで、腐ったハギスをよく見ようと顔を近づけた。
「行こうよ。気分が悪い」ロンが言った。
三人が向きを変えるか変えないうちに、小こ男おとこがテーブルの下から突とつ然ぜんスイーッと現れて、三人の目の前で空中に浮うかんだまま停てい止しした。
「やあ、ピーブズ」ハリーは慎しん重ちょうに挨あい拶さつした。
周まわりのゴーストは青白く透とう明めいなのに、ポルターガイストのピーブズは正反対だった。鮮あざやかなオレンジ色のパーティ用帽ぼう子しをかぶり、くるくる回る蝶ちょうネクタイをつけ、意い地じの悪そうな大きな顔一いっ杯ぱいにニヤニヤ笑いを浮うかべていた。
尼古拉斯德敏西一波平顿爵士
逝于1492年10月31日
哈利看得目瞪口呆。这时一个肥胖的鬼魂向桌子走来,他蹲下身子,直接从桌子中间通过,嘴巴张得大大的,正好穿过一条臭气熏天的大马哈鱼。
“你这样直接穿过去,能尝出味道吗?”哈利问他。
“差不多吧。”鬼魂悲哀地说,转身飘走了。
“我猜想他们让食物腐烂,是想让味道更浓一些。”赫敏很有见识地说,她捂着鼻子,靠上前去细看腐烂的肉馅羊肚。
他们还没来得及转身,一个矮小的男鬼突然从桌子底下钻了出来,停在他们面前的半空中。
“你好,皮皮鬼。”哈利小心翼翼地说。
皮皮鬼是一个专门搞恶作剧的鬼,他和他们周围的那些鬼魂不同,不是苍白而透明的。恰恰相反,他戴着一顶鲜艳的橘红色晚会帽,打着旋转的蝴蝶领结,一副坏样的阔脸上龇牙咧嘴地露出笑容。