「あの声のこと、僕ぼく、みんなに話したほうがよかったと思う」
「いや」ロンがきっぱりと言った。
「誰にも聞こえない声が聞こえるのは、魔法界でも狂きょう気きの始まりだって思われてる」
ロンの口調が、ハリーにはちょっと気になった。
「君は僕のことを信じてくれてるよね」
「もちろん、信じてるさ」ロンが急いで言った。「だけど――君も、薄うす気き味み悪いって思うだろ……」
「たしかに薄気味悪いよ。何もかも気味の悪いことだらけだ。壁かべになんて書いてあった 『部へ屋やは開かれたり』……これ、どういう意味なんだろう」
「ちょっと待って。なんだか思い出しそう」ロンが考えながら言った。
「誰かがそんな話をしてくれたことがある――ビルだったかもしれない。ホグワーツの秘ひ密みつの部へ屋やのことだ」
「それに、でき損そこないのスクイブっていったい何」ハリーが聞いた。
何がおかしいのか、ロンはクックッと嘲ちょう笑しょうを噛かみ殺した。
「あのね――本当はおかしいことじゃないんだけど――でも、それがフィルチだったもんで……。スクイブっていうのはね、魔法使いの家に生まれたのに魔力を持ってない人のことなんだ。マグルの家に生まれた魔法使いの逆かな。でも、スクイブってめったにいないけどね。もし、フィルチがクイックスペル・コースで魔法の勉強をしようとしてるなら、きっとスクイブだと思うな。これでいろんな謎なぞが解とけた。たとえば、どうして彼は生徒たちをあんなに憎んでいるか、なんてね」ロンは満足げに笑った。「妬ねたましいんだ」
どこかで時計の鐘かねが鳴った。
「午前零れい時じだ」ハリーが言った。
「早くベッドに行かなきゃ。スネイプがやってきて、別なことで僕たちを嵌はめないうちにね」
“你们说,我是不是应该对他们说说我听见的那个声音?” “别说,”罗恩不假思索地说,“听见别人听不见的声音,这不是一个好兆头,即使在魔法世界里也是这样。”
哈利从罗恩的声音里听出了点儿什么,他问道:“你是相信我的,是吗?”
“我当然相信,”罗恩很快地说,“可是—— 你必须承认这很离奇..”“我知道这很离奇,”哈利说,“整个事件都很离奇。墙上的那些文字是怎么回事?密室曾经被打开过..这到底是什么意思呢?”“噢,这倒使我想起了什么,”罗恩慢慢地说,“好像有一次什么人跟我说过霍格沃茨的密室..大概是比尔吧..”“哑炮又是什么玩艺儿?”哈利问。使他吃惊的是,罗恩居然捂住嘴咯咯笑了起来。“是这样—— 实际上并不可笑—— 但放在费尔奇身上..”他说,“哑炮是指一个人生在巫师家庭,却没有一点神奇的能力。哑炮和麻瓜出身的巫师正好相反,不过哑炮是很少见的。如果费尔奇想通过快速念咒函授课程来学习魔法,那他肯定是个哑炮。这就能说明很多闻题了,比如他为什么那么仇恨学生,”罗恩露出一个满意的微笑,“他嫉妒啊。”什么地方敲响了钟声。“十二点了,”哈利说,“我们赶紧上床睡觉吧,可别等斯内普又过来找我们的茬儿,诬陷我们。”