「わたしがお教えしとるのは『魔法史』です」
干ひからびた声で、先生がゼイゼイと言った。
「事実を教えとるのであり、ミス・グレンジャー、神しん話わや伝でん説せつではないんであります」
先生はコホンとチョークが折おれるような小さな音をたてて咳せき払ばらいし、授業を続けた。
「同じ年の九月、サルジニア魔法使いの小しょう委い員いん会かいで……」
先生はここでつっかえた。ハーマイオニーの手がまた空中で揺ゆれていた。
「ミス・グラント」
「先生、お願いです。伝説というのは、必ず事実に基もとづいているのではありませんか」
ビンズ先生はハーマイオニーをじーっと見つめた。その驚おどろきようときたら、先生のクラスを途と中ちゅうで遮さえぎる生徒は、先生が生きている間も死んでからも、ただの一人もいなかったに違いない、とハリーは思った。
「ふむ」ビンズ先生は考えながら言った。
「然しかり、そんなふうにも言えましょう。たぶん」
先生はハーマイオニーをまじまじと見た。まるでいままで一度も生徒をまともに見たことがないかのようだった。
「しかしながらです。あなたがおっしゃるところの伝でん説せつはと言えば、これはまことに人ひと騒さわがせなものであり、荒こう唐とう無む稽けいな話とさえ言えるものであり……」
しかし、いまやクラス全体がビンズ先生の一ひと言こと一言に耳を傾けていた。先生は見るともなくぼんやりと全生徒を見み渡わたした。どの顔も先生のほうを向いている。こんなに興きょう味みを示されることなど、かつてなかった先生が、完全にまごついているのがハリーにはわかった。
“我这门课是魔法史,”他用那干巴巴、气喘吁吁的声音说,“我研究事实,格兰杰小姐,而不是神话和传说。”他清了清嗓子,发出轻轻一声像粉笔折断的声音,继续说道:“就在那年十月,一个由撤丁岛魔法师组成的专门小组—— ”
他结结巴巴地停了下来。赫敏又把手举在半空中挥动着。
“格兰杰小姐?”
“我想请教一下,先生,传说都是有一定的事实基础的,不是吗?”. 宾斯教授看着她,惊讶极了。哈利相信,宾斯教授不管是活着还是死后,都没有哪个学生这样打断过他。“好吧,”宾斯教授慢吞吞地说,“是啊,我想,你可以这样说。”他使劲地看着赫敏,就好像他以前从未好好打量过一个学生。“可是,你所说的传说是一个非常耸人听闻,甚至滑稽可笑的故事..”
现在,全班同学都在全神贯注地听着宾斯教授讲的每一个字了。他老眼昏花地看着他们,只见每一张脸都转向了他。哈利看得出来,大家表现出这样不同寻常的浓厚兴趣,实在使宾斯先生太为难了。