「信しん頼らいできる歴れき史し的てき資し料りょうはここまでしか語ってくれんのであります。しかしこうした真しん摯しな事実が、『秘密の部屋』という空想の伝説により、曖あい昧まいなものになっておる。スリザリンがこの城に、他の創設者にはまったく知られていない、隠かくされた部屋を作ったという話がある」
「その伝説によれば、スリザリンは『秘密の部屋』を密みっ封ぷうし、この学校に彼の真の継けい承しょう者しゃが現れる時まで、何なん人ぴともその部屋を開けることができないようにしたという。その継承者のみが『秘ひ密みつの部へ屋や』の封ふう印いんを解とき、その中の恐きょう怖ふを解き放はなち、それを用いてこの学校から魔法を学ぶにふさわしからざる者を追つい放ほうするという」
先生が語り終えると、沈ちん黙もくが満みちた。が、いつものビンズ先生の授じゅ業ぎょうにつきものの、眠気を誘さそう沈黙ではなかった。みんなが先生を見つめ、もっと話してほしいという落ち着かない空気が漂ただよっていた。ビンズ先生は微かすかに困こん惑わくした様よう子すを見せた。
「もちろん、すべては戯たわ言ごとであります。当然ながら、そのような部屋の証あかしを求め、最高の学がく識しきある魔女や魔法使いが、何度もこの学校を探たん索さくしたのでありますが、そのようなものは存そん在ざいしなかったのであります。騙だまされやすい者を怖こわがらせる作り話であります」
ハーマイオニーの手がまた空中に挙あがった。
「先生――『部屋の中の恐きょう怖ふ』というのは具ぐ体たい的てきにどういうことですか」
「何らかの怪かい物ぶつだと信じられており、スリザリンの継けい承しょう者しゃのみが、それを操あやつることができるという」ビンズ先生は干ひからびた甲かん高だかい声で答えた。
生徒が恐こわ々ごわ互いに顔を見合わせた。
“可靠的历史资料就告诉我们这些,”他说,“但是,这些纯粹的事实却被关于密室的古怪传说掩盖了。那个故事说,斯莱特林在城堡里建了一个秘密的房间,其他创办者对此一无所知。
“根据这个传说的说法,斯莱特林封闭了密室,这样便没有人能够打开它,直到他真正的继承人来到学校。只有那个继承人能够开启密室,把里面的恐怖东西放出来,让它净化学校,清除所有不配学习魔法的人。”
故事讲完了,全班一片寂静,但不是平常宾斯教授课堂上的那种睡意昏沉的寂静。每个人都继续盯着他,希望他再讲下去,气氛令人不安,宾斯教授显得微徽有些恼火。
“当然啦,整个这件事都是一派胡言,”他说,“学校里自然调查过到底有没有这样一间密室,调查了许多次,请的都是最有学问的男女巫师。密室不存在。这只是一个故事,专门吓唬头脑简单的人。”
赫敏的手又举在半空中了。“先生—— 您刚才说密室‘里面的恐怖东西’,指的是什么?” “人们认为是某种怪兽,只有斯莱特林的继承人才能控制。”宾斯教授用他千涩的、细弱的声音说。
同学们交换了一下紧张的目光。