ハーマイオニーがもたもたしながらそれを丸め、カバンに滑すべり込こませている間、ロックハートがハリーに話しかけた。
「で、ハリー。明あ日すはシーズン最初のクィディッチ試じ合あいだね グリフィンドール対スリザリン。そうでしょう 君はなかなか役に立つ選手だって聞いてるよ。私もシーカーだった。ナショナル・チームに入らないかと誘さそいも受けたのですがね。闇やみの魔ま力りょくを根こん絶ぜつすることに生しょう涯がいを捧ささげる生き方を選んだんですよ。しかし、軽い個人訓くん練れんを必要とすることがあったら、ご遠えん慮りょなくね。いつでも喜んで、私より能力の劣る選手に経験を伝でん授じゅしますよ……」
ハリーは喉のどから曖あい昧まいな音を出し、急いでロンやハーマイオニーのあとを追った。
「信じられないよ」三人でサインを確かく認にんしながら、ハリーが言った。
「僕ぼくたちが何の本を借かりるのか、見もしなかったよ」
「そりゃ、あいつ、能のうなしだもの。どうでもいいけど。僕たちはほしいものを手