「さあ、来て」ロンの声だ。「行こう――さあ、来て……」ハリーの耳に囁ささやいた。
ロンが、ハリーをホールの外へと連れ出した。ハーマイオニーも急いでついてきた。三人がドアを通り抜ける時、人ひと垣がきが割われ、両側にさっと引いた。まるで病気でも移されるのが怖こわいとでもいうかのようだった。ハリーには何がなんだかさっぱりわからない。ロンもハーマイオニーも何も説明してはくれなかった。人気ひとけのないグリフィンドールの談だん話わ室しつまでハリーを延えん々えん引ひっ張ぱってきて、ロンはハリーを肱ひじ掛かけ椅い子すに座らせ、初めて口をきいた。
「君はパーセルマウスなんだ。どうして僕ぼくたちに話してくれなかったの」
「僕がなんだって」
「パーセルマウスだよ」ロンが繰くり返した。「君はヘビと話ができるんだ」
「そうだよ」ハリーが答えた。
「でも、今度で二度目だよ。一度、動物園で偶ぐう然ぜん、大ニシキヘビをいとこのダドリーにけしかけた。――話せば長いけど――そのヘビが、ブラジルなんか一度も見たことがないって僕に話しかけて、僕が、そんなつもりはなかったのに、そのヘビを逃がしてやったような結果になったんだ。自分が魔法使いだってわかる前だったけど……」
「大ニシキヘビが、君に一度もブラジルに行ったことがないって話したの」
ロンが力なく繰り返した。
「それがどうかしたの ここにはそんなことできる人、掃はいて捨すてるほどいるだろうに」
「それが、いないんだ」ロンが言った。
「そんな能のう力りょくはざらには持っていない。ハリー、まずいよ」
「何がまずいんだい」ハリーはかなり腹が立った。
「みんな、どうかしたんじゃないか 考えてもみてよ。もし僕が、ジャスティンを襲うなってヘビに言わなけりゃ――」
「へえ。君はそう言ったのかい」
「どういう意味 君たちあの場にいたし……僕ぼくの言うことを聞いたじゃないか」
「僕、君がパーセルタングを話すのは聞いた。つまり蛇へび語ごだ」ロンが言った。
「君が何を話したか、ほかの人にはわかりゃしないんだよ。ジャスティンがパニックしたのもわかるな。君ったら、まるでヘビをそそのかしてるような感じだった。あれにはぞっとしたよ」
ハリーはまじまじとロンを見た。
“一条大蟒告诉你,它从未去过巴西?”罗恩用徽弱的声音问道。
“怎么啦?”啥利说,“我敢打赌,这里的许多人都能做到这一点。”
“什么很糟糕?”哈利问,开始觉得心头生起怒火。“所有的人都出了什么毛病?听着,如果不是我叫那条蛇不要袭击贾斯廷—— ”
“哦,这就是你对他说的话?”
“我听见你用蛇佬腔说话,”罗恩说,“就是蛇的语言。你说什么都有可能。怪不得贾斯廷惊恐万状呢,听你说话的声音,就好像你在怂恿那条蛇似的。那是令人毛骨悚然的,你知道。”
哈利目瞪口呆地望着他。