グリフィンドールの談だん話わ室しつの暖だん炉ろのそばで、ハリーは休講になってしまったことで、イライラしていた。ロンとハーマイオニーは、空あいた時間を、魔法チェスをして過ごしていた。
「ハリー、お願いよ」ロンのビショップが、ハーマイオニーのナイトを馬から引きずり降おろして、チェス盤ばんの外までズルズル引ひっ張ぱっていった時、ハリーの様子ようすを見かねたハーマイオニーが言った。
「そんなに気になるんだったら、こっちからジャスティンを探しにいけばいいじゃない」
ハリーは立ち上がり、ジャスティンはどこにいるかなと考えながら、肖しょう像ぞう画がの穴から外に出た。
昼だというのに、窓という窓の外を、灰色の雪が渦うず巻まくように降ふっていたので、城の中はいつもより暗かった。寒さに震ふるえ、ハリーは授業中のクラスの物音を聞きながら歩いた。マクゴナガル先生は誰かを叱しかりつけていた。どうやら誰かがクラスメートをアナグマに変えてしまったらしい。ハリーは覗のぞいてみたい気持を抑おさえて、そばを通り過ぎた。ジャスティンは空いた時間に授業の遅おくれを取り戻もどそうとしているかもしれない、と思いつき、ハリーは図書室をチェックしてみることにした。
「薬草学」で一いっ緒しょになるはずだったハッフルパフ生せいたちが、思ったとおり図書室の奥のほうで塊かたまっていた。しかし、勉強している様子ではない。背の高い本ほん棚だながずらりと立ち並ぶ間で、みんな額ひたいを寄せ合って、夢む中ちゅうで何かを話しているようだった。ジャスティンがその中にいるかどうか、ハリーには見えなかった。みんなのほうに歩いていく途と中ちゅうで、話が耳に入った。ハリーは立ち止まり、ちょうど「隠かくれ術じゅつ」の本が並ぶ本棚のところに隠れて耳をすませた。