鼻をつまんで、ハリーはゴックンと二ふた口くちで薬を飲み干ほした。煮に込こみすぎたキャベツのような味がした。
とたんに、体の中が、生きたヘビを飲み込んだみたいに捩よじれだした。――ハリーは吐はき気がして、体をくの字に折おった。――すると、焼けるような感かん触しょくが胃い袋ぶくろからさーっと広がり、手足の指先まで届いた。次に、息が詰つまりそうになって、全身が溶とけるような気持の悪さに襲おそわれ、四つん這ばいになった。体中の皮ひ膚ふが、蝋ろうが熱で溶けるように泡あわ立だち、ハリーの目の前で手は大きくなり、指は太くなり、爪つめは横に広がり、拳こぶしがボルトのように膨ふくれ上がった。両肩はベキベキと広がって痛いたかったし、額ひたいはチクチクするので髪かみの毛が眉まゆのところまで這はい降おりてきたことがわかった。胸きょう囲いも拡ひろがり、樽たるのタガが引きちぎられるようにハリーのローブを引き裂さいた。足は四サイズも小さいハリーの靴くつの中で呻うめいていた。
始まるのも突とつ然ぜんだったが、終わるのも突然だった。冷たい石の床の上に、ハリーはうつ伏ぶせに突つっ伏ぷし、一番奥の小部屋で「嘆なげきのマートル」が気き難むずかしげにゴボゴボ音をたてているのを聞いていた。ハリーはやっとこさ靴を脱ぬぎ捨すてて、立ち上がった。――そうか、ゴイルになるって、こういう感じだったのか。巨大な震ふるえる手で、ハリーは、踝くるぶしから三十センチほど上にぶら下がっている自分の服をはぎ取り、着き替がえのローブを上からかぶり、ボートのようなゴイルの靴の紐ひもを締しめた。手を伸ばして目を覆おおっている髪をかき上げようとしたが、ごわごわの短い髪が額の下のほうにあるだけだった。目がよく見えなかったのはメガネのせいだったと気づいた。もちろんゴイルはメガネが要いらない。ハリーはメガネを外はずし、二人に呼びかけた。
哈利捏着鼻子,两口把汤剂吞进肚里。它的味道像煮得过熟的卷心菜。
立刻,他的五脏六腑开始翻腾起来,仿佛他刚才吞下的是几条活蛇—— 他弯下身子,心想自己会不会病倒—— 突然,一种烧灼的感觉从他的胃迅速传遍全身,直达手指和脚尖。接着,便是一种可怕的正在熔化的感觉,仿佛他浑身的皮肤都像滚热的蜡一样泛起气泡,这使得他匍匐在地上喘息着;他眼睁睁地看着自己的手开始变大,手指变粗,指甲变宽,指关节像螺栓一样鼓突出来。他的肩膀开始伸展,使他感到疼痛难忍;他额头上针刺般的痛感告诉他,头发正在朝着他的眉毛蔓延;随着他胸膛的膨胀,他的长袍被撑破了,就像水桶挣断了铁箍;他的脚挤在小了四号的鞋里,痛苦不堪......
事情来得突然,去得也快。一下子,一切都停止了。哈利脸朝下躺在冰冷的砖地上,听着桃金娘在尽头的马桶间里郁闷地汩汩作响。他费劲地脱掉鞋子,站了起来。这么说,成为高尔就是这样的感觉。他的大手颤抖着,脱去他原先的长袍—— 它现在悬在他脚脖子上面一英尺的地方—— 穿上了那套换洗衣服,又穿上高尔的那双小船似的鞋子。他伸手拂去挡住眼睛的头发,触摸到的是钢丝一般粗硬的短毛,低低的发际一直延伸到他前额。这时,他意识到,是他的眼镜使得他的视线模糊不清,因为高尔显然是不需要眼镜的。