突とつ然ぜん、ハリーとロンの背はい後ごから声が響ひびいた。ドラコ・マルフォイがこっちへやってくる。ハリーは生まれて初めて、ドラコに会えてうれしいと思った。
「おまえたち、こんなところにいたのか」マルフォイが二人を見て、いつもの気取った言い方をした。
「二人とも、いままで大おお広ひろ間までバカ食いしていたのか ずっと探していたんだ。すごくおもしろい物を見せてやろうと思って」
マルフォイは、パーシーを威い圧あつするように睨にらみつけた。
「ところで、ウィーズリー、こんなところで何の用だ」マルフォイがせせら笑った。
パーシーはカンカンになった。
「監督生に少しは敬けい意いを示したらどうだ 君の態たい度どは気にくわん」
マルフォイはフンと鼻であしらい、ハリーとロンについてこいと合あい図ずした。ハリーはもう少しでパーシーに謝あやまりそうになったが、危あやうく踏ふみ止とどまった。二人はマルフォイのあとに続いて急いだ。角かどを曲がって次の廊ろう下かに出る時、マルフォイが言った。
「あのピーター・ウィーズリーのやつ――」
「パーシー」思わずロンが訂てい正せいした。
「なんでもいい」とマルフォイ。
「あいつ、どうもこのごろ嗅かぎ回っているようだ。何が目的なのか、僕ぼくにはわかってる。スリザリンの継けい承しょう者しゃを、独ひとりで捕つかまえようと思ってるんだ」
マルフォイは嘲あざけるように短く笑った。ハリーとロンは、ドキドキして目と目を見み交かわした。
湿ったむき出しの石が並ぶ壁かべの前でマルフォイは立ち止まった。
「新しい合あい言こと葉ばは何だったかな」マルフォイはハリーに聞いた。
「えーと――」
「あ、そうそう――純じゅん血けつ」